高校生の春の大一番である全国高校選抜大会が、３月25日に山形県鶴岡市で開幕する。選抜直前企画として、ここでは、活躍が予想される注目選手を紹介しよう。

男子

渡邉航貴／わたなべ・こうき

[埼玉栄（埼玉）２年]

☆出場種目…団体・単・複

昨年のＩＨでシングルス３位に食い込み、優勝候補として挑んだ全日本ジュニアでは重圧をはねのけて頂点に。大きな勝因となった体力面や我慢強さに磨きがかかれば、選抜での３冠達成に向けて夢が膨らむ。柔らかなラケットワークから繰り出される多彩なショットや、相手の裏をかく技術は一級品。とくにネット前のプレーには注目したいところだ。まずは一番の目標である団体での３年ぶり王座奪還へ向け、エースとしての仕事を果たす。

山下恭平／やました・きょうへい

[水島工（岡山）２年]

☆出場種目…団体・単・複

小学生時代からシングルスプレーヤーとして頭角を現し、ジュニアナショナルに名を連ねる。相手のショットを拾いまくりながら、攻撃の糸口を見出して得点していくのが彼のプレーの真骨頂だ。昨年は選抜単複８強、ＩＨ複３位、全日本ジュニア単複３位。今夏の地元ＩＨへ向けて活躍の期待が高まるが、まずはこの選抜で栄冠をつかんで存在感をアピールしたいところ。強靭なフィジカルを武器に、３種目でライバルたちに挑む。

女子

海老原詩織／えびはら・しおり

[作新学院（栃木）２年]

☆出場種目…団体・単

15年全日本ジュニアで全国大会初優勝を遂げ、高校女子シングルス界の主役に躍り出た。それまでは競り合いになると精神的なもろさが出たが、この優勝で一皮むけた印象。ただ、選抜の関東予選では埼玉栄の川島美南に敗れて準優勝。選抜本番でのコンディションも重要になるが、持ち味のねばり強さを発揮して、ふたたび女王の座を取りにいく。そして団体戦では、単複のエースとしてチーム初のメダル獲得をめざす。

仁平菜月／にだいら・なつき

[富岡・ふたば未来学園（福島）２年]

☆出場種目…団体・単・複

高校１年からナショナルＢに選ばれている逸材。昨年の全日本ジュニアはケガの影響で万全のコンディションではなかったが、堂々の戦いを見せて準優勝を飾った。人一倍の負けず嫌いで、気持ちの強さにも定評がある。強靭な足腰から、緩急をつけたラリーで相手をほんろうする。今年の３月に参戦したオランダジュニアとドイツジュニアを制したことで、心身の充実ぶりがうかがえる。ダブルスでは同学年の吾妻とエントリー。団体ではエースとして２年ぶりの栄冠をもたらせるか。