パリ2024オリンピック・バドミントン競技の7日目、前半のセッションでは女子ダブルスと男子ダブルスの準決勝、また午後のセッションでは混合ダブルスの3位決定戦および決勝、男子シングルスの準々決勝が行われた。ここでは日本選手の結果を振り返る。
女子ダブルスの志田千陽/松山奈未は、決勝進出をかけて中国の若手ペア・譚寧(タン・ニン)/劉聖書(リュウ・シァンシュ)と対戦。第1ゲーム16オールまで競り合うも、終盤に5連続得点を許し、21-16。特に松山のドロップがネット上を転がり、ネットを越えずに戻ってきて18点目を与えたのはアンラッキーだった。
第2ゲームも相手の積極的なサービスまわりに苦しみ、差し込まれる場面が多かった。前半に最大5点差あったビハインドから、シダマツらしい連係攻撃で終盤には17-18、18-19まで詰め寄ったが、とらえきれなかった。
「相手のサービスまわりがよくて、先に攻撃される展開が多かった」と志田。松山も「サービスまわりでは全体的に圧倒されてしまい、もうちょっとやり方があったかなと思う」と悔やんだ。
敗れた志田/松山は、銅メダル獲得をかけて、現地時間8月3日にマレーシアのピアリー・タン/ティナー・ムラリザランと対戦する。タン/ティナーは、松本麻佑/永原和可那を破るなどして予選リーグを突破。準々決勝では東京五輪銅メダル獲得の金昭英(キム・ソヨン)/孔熙容(コン・ヒヨン/韓国)を破り、準決勝でも世界ランキング1位の陳清晨(チェン・チンチェン)/賈一凡(ジャ・イーファン/中国)と接戦を演じるなど好調だ。
8月2日の後半のセッションでは、2大会連続でのメダル獲得をめざす渡辺勇大/東野有紗が、3位決定戦に臨んだ。昨年の世界選手権を制している徐承宰(ソ・スンジェ)/蔡侑玎(チェ・ユジュン/韓国)に対し、第1ゲーム中盤に東野のサービスから連続得点で流れをつかむと、長いラリーで疲労の色を見せた韓国ペアの隙を突いた。
第2ゲームは終盤までもつれる展開。長いラリーから渡辺がドロップを決めて20-18と2本のマッチポイントを握ったが、韓国ペアも食らいついて20オール。執念を見せた韓国ペアに対し、「気持ちで負けない」(東野)ともう一度集中力を高めて、最後に攻め切った渡辺/東野が、2大会連続でのメダル獲得を決めた。
なお、五輪2大会連続メダル獲得は、日本バドミントン史上初の快挙だ。「金メダルをめざしてきたが、メダルを取れて、ほっとしている」と、激戦を終えた二人。今後について聞くと、「まずは休みたい」と渡辺は話した。
【女子ダブルス】
▼準決勝
志田千陽/松山奈未(日本)●0〔16−21、19−21〕②譚寧/劉聖書(中国)56分
【混合ダブルス】
▼3位決定戦
渡辺勇大/東野有紗(日本)②〔21−13、22−20〕●0徐承宰/蔡侑玎(韓国)48分
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/Getty Images