5月29日に開催された2024年日本ランキングサーキット(埼玉県・サイデン化学アリーナさいたま)最終日は、各種目決勝が行なわれた。ここでは、ダブルス3種目の熱戦をレポートする。
3日目/準々決勝
(5月27日)
【男子ダブルス】
大会最終試合は、混合ダブルスA代表同士が組む山下恭平(上写真・左)/緑川大輝(NTT東日本)が、サウスポーペアの西川裕次郎/下農走(滋賀県スポーツ協会/金沢学院クラブ)に2-0で勝利した。序盤から男子ダブルスらしい激しい打ち合いを展開。4人とも後ろから強いショットを打ち込み、ドライブ、プッシュで仕掛けて前に詰めていく。目まぐるしいローテーションと連続攻撃、スーパーレシーブを連発して、会場を沸かせた。
第1ゲームは山下/緑川がゲームポイントを握るも、西川/下農(上写真・右)が追いつき20-20。最後は下農の連続スマッシュをしのいだ山下/緑川が、23-21で第1ゲームを先取した。第2ゲームに入ると、山下/緑川のサービスまわりが安定。ラリーの主導権を握って攻撃の場面を増やし、レシーブから攻撃へと転じる展開も決まっていく。終盤は山下/緑川が相手を振り回し、最後もその形でチャンスをつくると、あいたスペースに山下がストレートスマッシュ。歓喜の初優勝に大きな声をあげた。
▼決勝(5月29日)
山下恭平/緑川大輝(NTT東日本)②〔23-21、21-16〕0●西川裕次郎/下農走(滋賀県スポーツ協会/金沢学院クラブ)
【女子ダブルス】
B代表復帰をめざす大竹望月/髙橋美優(BIPROGY)が、毛利未佳(上写真・右)/田代愛妃(七十七銀行)にストレート勝ちした。毛利/田代は、準々決勝で昨年優勝の川添麻依子/小西春七(岐阜Bluvic)を、準決勝でB代表の加藤佑奈/廣上瑠依(再春館製薬所)を、パワーあふれる強打とスピードで崩してきた。
対する、青森山田高校時代から組む先輩&後輩ペア、大竹(上写真・右)/髙橋は、コンビネーションを崩される前に先手を取って攻めていく。低いつなぎ球を使って相手にいい形で打たせず、クロスに散らすレシーブにも対応。スマッシュのコースはセンターを有効に使い、一人が前に詰めてできたスペースを何度も抜いて、得点を重ねていった。最後は大竹がスマッシュ、髙橋がプッシュの連続攻撃でゲームオーバー。二人で抱き合い、2022年以来2回目の優勝をかみ締めた。
▼決勝(5月29日)
大竹望月/髙橋美優(BIPROGY)②〔21-9、21-12〕0●毛利未佳/田代愛妃(七十七銀行)
【混合ダブルス】
B代表の霜上雄一(上写真・右)/保原彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)が、下農走/大澤陽奈(金沢学院クラブ/ACT SAIKYO)に2-1で勝ち、初優勝した。昨年の全日本社会人優勝の霜上/保原は、1回戦からすべて2-0と抜群の安定感。対する下農/大澤は、昨年優勝の下農(パートナーは重田美空)が20歳の大澤をリードして、準決勝ではB代表の西大輝/佐藤灯(龍谷大/ACT SAIKYO)を撃破している。
第1ゲームは、霜上/保原がいい形で攻めて21-12。第2ゲームになると、果敢にネット前に入っていた大澤(上写真・右)のショットが決まり、下農/大澤が21-19。ファイナルゲームも競り合う展開。霜上の角度あるスマッシュ、サウスポー・下農のクロススマッシュと、男子が豪快に打ち込み、女子の保原と大澤がネット前で勝負する。手に汗握るラリーの連続から、マッチポイントを迎えたのは霜上/保原。なかなか決められず嫌な流れになりかけると、霜上が保原に声をかけて間を取った。最後のラリーは、下農のつなぎ球がネットにかかってゲームオーバー。霜上/保原が二つ目の国内タイトルを獲得し、笑顔で手を合わせた。
▼決勝(5月29日)
霜上雄一/保原彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)②〔21-12、19-21、21-18〕1●下農走/大澤陽奈(金沢学院クラブ/ACT SAIKYO)
取材・文/平田美穂
写真/黒崎雅久