5月4日に開催された世界国・地域別対抗戦BWFトマス杯&ユーバー杯2024(中国・成都)8日目は、ユーバー杯の準決勝が行なわれた。2018年以来の世界一をめざした日本女子は、3日の準々決勝でインドを3-0で撃破。その勢いのまま、地元中国との準決勝に挑んでいる。
注目の第1シングルス、日本は山口茜を起用せずに大堀彩(上写真・奥)でポイントをねらうオーダー。相手は中国のエースである陳雨菲だが、その第1ゲームは、大堀が序盤に1-9と大きくリードを許す展開。しかし、リズムを取り戻した大堀も少しずつ点差を詰めて、前半12オールまで盛り返した。その後も、陳雨菲と互角のラリーを繰り広げた大堀だったが、勝負所の終盤、18-19から先に抜け出され、18-21で先制を許す。第2ゲームに入ると、スピードを上げて主導権を渡さない陳雨菲に押し込まれる展開が増え、最後は15-21で敗戦。中国に先制ポイントを奪われた。
苦しいスタートとなった日本。第1ダブルスで勝利し流れを引き戻したかったが、志田千陽/松山奈未の前に立ちはだかったのは、世界最強の陳清晨(チェン・チンチェン)/賈一凡(ジャ・イーファン)。第1ゲームは、果敢に攻め込む志田/松山が6連続ポイントなどを奪い、21-14で先勝する。第2ゲームは、動きのキレが戻ってきた中国ペアに13本で抑えられ、勝負の行方はファイナルゲームに持ち込まれた。
ここで勝って後続につなげたい日本。第2ゲームは中国ペアの勢いに押された志田/松山だが、最終ゲームは引かずに応戦。接戦のまま中盤に進むと、流れをつかんだ志田/松山が13-12から5連続得点で18-12。大きく差を広げた。しかし、ここで簡単に負けないのが、最強ペアの地位を確立する陳清晨/賈一凡の強さだろう。劣勢の場面でも攻めの姿勢を忘れず1ポイントずつ加えると、6連続得点で同点。再び接戦になった勝負は、志田/松山が21-20でマッチポイントをつかんだものの、チャンスを決めきれずに失点。最後まで中国ペアを仕留めきれなかった志田/松山が、21-23で敗戦。日本は2連敗を喫した。
あとがない状況に追い込まれた日本は、第2シングルスの奥原希望(上写真)に逆転の望みを託したが、第1ゲームは何冰嬌(へ・ビンジャオ)にペースを握られ8-21。第2ゲームはストローク戦からチャンスを探ったものの、先行する相手をなかなか捕まえきれず18-21。日本は0-3で中国に敗れ、銅メダルで大会を終えた。
もう一つの準決勝は、インドネシアが2連覇をねらう韓国を撃破。第1シングルスは、インドネシアのグレゴリア・マリスカ・トゥンジュンが、韓国のシム・ユジンに2-0で勝利。第1ダブルスは韓国の李紹希(イ・ソヒ)/ペク・ハナが、ラハユ/ラマダンティを退けて1-1のタイに戻したものの、第2シングルスは前日のタイ戦で白星を手にしたワルドヨが、ファイナルゲーム12本で勝利。インドネシアが2-1でプレッシャーをかける。
後半勝負となった戦いは、第2ダブルスを韓国が奪い返して、最終シングルスに突入。どちらにとっても負けられない戦いは、インドネシアのコマン・アユ・チャヤ・デウィが69分の大接戦を制して、インドネシアが3-2で勝利。2008年の準優勝以来となる、ユーバー杯の決勝進出を決めた。
▼準決勝(5月4日)
中国 3−0 日本
WS1陳雨菲②〔21−18、21−15〕0●大堀彩46分
WD2陳清晨/賈一凡②〔14−21、21−13、23−21〕1●志田千陽/松山奈未85分
WS2何冰嬌②〔21−8、21−18〕0●奥原希望41分
インドネシア 3−2 韓国
WS1 グレゴリア・マリスカ・トゥンジュン②〔21−15、21−13〕0●シム・ユジン32分
WD1ラハユ/ラマダンティ●0〔6−21、18−21〕②李紹希/ペク・ハナ43分
WS2エスター・ヌルミ・トゥリ・ワルドヨ②〔20−22、21−16、21−12〕1●キム・ガラム67分
WD2マヤサリ/スギアルト●0〔15−21、14−21〕②孔熙容/鄭ナウン35分
WS3コマン・アユ・チャヤ・デウィ②〔17−21、21−16、21−19〕1●キム・ミンスン69分
▼決勝(5月5日)
中国 ― インドネシア
4月29日/3日目
4月28日/2日目
4月27日/初日
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文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO