4月11日にアジア選手権(中国・寧波)3日目が開催され、各種目の2回戦が行なわれた。ここでは、試合を戦った日本選手のコメントを紹介する。
櫻本絢子(左)/宮浦玲奈
女子ダブルス2回戦:金昭英/孔熙容(韓国)に2-1で勝利。
――ファイナルゲームは大逆転で勝利
櫻本 出だしから長いラリーが多かったので、体力を削られている部分はありました。相手も途中から決め急いでいたので、ちょっと冷静に(ラリーを)回していこうとしたら、相手もミスが出てきた。最後は自分が冷静に球回しをできたのがよかったです。
宮浦 1ゲーム目は、競っている展開の中で、相手よりミスが多くて出てしまった。2ゲーム目から立て直して、3ゲーム目も最初は離されてたけど、そこからは「絶対に取る」という気持ちになった。絢子も(気持ちの)スイッチを入れて、後ろは全部打ってくれたので、自分は前に集中するだけ。レシーブを頑張って、ネット前に落として、前に入ろうと、すごく前向きな気持ちになれました。
――第2ゲームは中島コーチが球を散らすラリーをするようにアドバイスをしていた
櫻本 相手の前衛に捕まる失点が多かったので、簡単に高い球を上げずに無理に攻めたらカウンターを受けるターンが増えました。もっと前後を使うようにと言われて、自分は、後ろからの打ち分けでそこを徹底しようと思って、後ろの役割を果たそうと考えました。
――強打しなくても相手のバックアウトが増えた
櫻本 向こうが(シャトルがよく)飛ぶ方の時は、早くラリーを回そうとして、それがアウトになってくれた。こちらは上からさわって、とりあえず落として相手のミスを誘うことを話していました。ラッキーな相手のミスもあって、立て直せたところがありました。
――2人は今日が初戦。この大会の位置付けは?
宮浦 五輪にはいけないとわかっていますが、2人で最後までやりきることを目標にやってきました。この大会も、曖昧な気持ちで試合をして後悔が残ることは絶対にしたくないので、 2人で試合中も話しながら、お互いを助け合いながら。それがダブルスのいいところだと思うし、それを2人で出せるのが自分たちの強みだと思っているので、前面に出して「ダブルスとは、こういうものだ」という感じで、最後まで楽しくやり切ろうと思います。
――五輪への挑戦を振り返って
櫻本 昨日、レースの最後の大会か……と考えた時に、そもそも最初からレースに出られるかどうかわからない状態だったことを思い出しました。最初に欧州で3大会(2023年のスイスOP、オルレアンマスターズ、スペインマスターズ)に出て、2つ優勝して、自分たちで、五輪レースの大会に出られるように頑張ったところからのスタート。そういう初心もすごく大事だなと思い返しました。やっぱり、2人で乗り越えてきたから、今、この場に立てている。なおさら今日は、勝ちたいというより、自分たちの力を出し切って終えたい気持ちが強かったし、それを2人で発揮できたことが、すごくよかったと思います。
宮浦 23年1月の時点では、世界ランクが80位くらい。そこから始まって、本当に上位の選手と戦えるようになって、勝てるようにもなって、成長できた。すごく苦しい時もあるけど、苦しい中で互いがどれだけ成長しているか。私たちだけでなく、スタッフの人や、ファンの人にも見て気づいてもらえるような状況になってきている。ただ、いつもベスト8、4まで勝っても、その後が抜けられない。そこから後の戦い方は、また違うんだと実感しています。それはすごく悔しいので、どうにかして、そこを抜けたいです。
【選手コメント】
2日目/4月10日
取材・写真
平野貴也
構成
バドミントン・マガジン編集部
ベースボール・マガジン社 販売部
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