日本一を争う「第77回全日本総合バドミントン選手権」が、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで12月25日に開幕した。大会3日目が行なわれた27日は、各種目の2回戦を実施。ここでは注目選手たちのコメントを紹介する。
桃田賢斗
(NTT東日本)
男子シングルス2回戦:川本拓真(BIPROGY)に21-7、21-13で勝利
――連覇がかかる大会に、どういう気持ちで臨んでいる?
日本のエースを決める大会ですし、日本のファンの前でプレーできる数少ない機会。緊張感はありますけど、そういう部分も楽しみながらプレーできたらいいかなと思っています。
――この大会の優勝が、日本のエースになる一つの条件?
僕はそうだと思っています。異論は、たくさんあると思いますけど。総合を優勝する前に世界大会を優勝する人もいますから、いろいろな考えがあると思いますが、僕はこの大会が好きなので、勝ちたいなと思っています。
――若手の挑戦を受ける状況にもなっている
迎え撃つという感覚は、僕の中ではないです。自分自身、まだまだ強く、うまくなれると自分に期待をしている分、自分も挑戦する気持ちで一球一球、がむしゃらにプレーしたいと思っています。
――今日の試合内容について
出だしから、しっかりとコートを動き回って、相手の球を一球でも多く返す。そこから、いいリズムをつくることができて、相手がラリーをするのを嫌がっていたので、いい流れに持ってこれたと思います。
――ラリーに積極性があって相手を振り回した
思い切り攻撃するというより、しっかりと球の下に入って、相手に(打球コースを)読ませず、先手を取っていくプレーがうまくできたのではないかと思います。相手は、すごく攻撃をしたがっていたので、多分(来る)球を絞れずに「あれ? あれ?」という感じになっていたと思います。自分が無理に攻撃をしていたら(守備面で)隙ができてしまうし、そこを突かれるのが嫌だったので、しっかりと球の下に入って打ち分けることを意識しました。
――主導権を握り続けた
1、2ゲームともに、リードされることなく、出だしから点差を離して自分のテンポでプレーできたと思います。
――昨日に比べて動きの質は?
昨日より緊張感が少しほぐれて、力みもなく動けたのではないかと思います。
――国際大会で韓国マスターズ、熊本マスターズジャパンと勝つ試合が増え、勝ち癖、勝つイメージがついてきている?
そうですね。以前は、攻撃されたくないなとか、ミスをしたらどうしようという気持ちがすごくあったのですが、韓国で優勝したあたりから、自分の中で「こうやれば大丈夫だ」というイメージができつつあるので、そこは、試合をする中で心の支えになっていると思います。
――昨年も勝ち上がったが、自信や心境などは全然違うのでは?
去年は(国内大会は)勝たなきゃとか、負けたらどうしようとか、すごく考えていましたけど、今は、自分の持っているものを全部出し切って負けたらしゃあないというくらいの気持ちで、楽しめています。(国際大会を勝って)ある程度、少しは自信も持ってプレーできているかなと思います。
――勝ち癖をつけにきている選手も、来年に向けてプレーを試している選手もいるが? 桃田選手のねらいは?
もう、ガッツリ(優勝ねらい)。確認とかないです。出し切る、それだけです。勝てば自信になると思いますし、ちょっとプレーを確認して手応えがあったなと言いながら負けたら、多分、自信にはつながらないと思うので、出し切る。それだけです。
――明日の意気込み
同じチームの選手との試合。練習のゲームでは勝ったり負けたり。手の内がわかっているので、すごく厳しい戦いになると思いますけど、気持ちで負けないようにプレーしていきたいと思います。去年勝ったとかは、なし。とりあえず、明日。相手もいい感じにほぐれてきていると思うし、気持ちが乗ったプレーをしていたので。
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取材・構成/吉井信行、平野貴也、バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳