11月15日、BWFワールドツアー・熊本マスターズジャパン(熊本県立総合体育館/Super500)が行なわれた。今年から新設された同大会は、国内ではジャパンOP(S750)に次ぐレベルで、日本A・B代表や海外のトップランカーが参戦。ここでは、試合を戦った選手たちのコメントを紹介する。
桃田賢斗
男子シングルス:1回戦はロー・ケンイゥ(シンガポール)に2-1で勝利
――今日の勝利をどう捉えているか
競った場面だったり、勝つか負けるかのところで、強い気持ちというか、思い切ってネット前に踏み込めているのが、すごくいいところかなと思います。
――プレー内容で充実感があるような表情を見せていたが
充実感というよりは、やっぱり世界トップの選手と久しぶりに羽根を打って、“スマッシュが速いな”とか、“この球は取れないな”っていう、楽しむというよりは、ちょっと苦笑いの方が多かったです。
――攻撃力が高い選手に、持ち味が出ていたように見えた
ネット前で、相手に上で(ヘアピンを)切られてからのジャンピングスマッシュは、ほとんど攻略できませんでした。だから、それをさせないように、自分もしっかりネット前で勝負していこうとプレーしてました。
――明日の試合につながった
今日の激闘をモノにして、明日も試合ができる喜びをしっかり感じながら、しんどいとは思いますけど強い気持ちを持って、プレーしたいなと思います。
――1ゲーム目を失って、2ゲーム目はどういう心境で入ったか
1ゲーム目の終盤あたりから、相手に返すだけになっていました。2ゲーム目の前半も、もう攻められないなって思っていたけど、自分がペースを変えたことによって、相手も変えてくれた。スピードを遅くしたので、少しやりづらそうにしてたぶん、11-6でリードして折り返せた。そこがすごく大きかったかなと思います。あそこを1、2点差で折り返していたら、苦しい展開になっていた。あの5点差がすごく大きかったと思います。
――2ゲーム目は後半に追い上げられて、20オールからは相手のマッチポイントを3回ぐらいしのいだ
もう覚えてないです。でも、楽しかったですね。相手とも目があって“まだ終わんないじゃん”みたいな感じで。シンプルに楽しんでましたね。
――韓国マスターズから勝負できることの楽しみとか、勝ちにいける楽しみを感じてる印象
そうですね。腰が痛い時は、もうしのぎながらしのぎながら、後手後手でやっていた。今はしっかりスピードを上げて、コートをカバーしながら相手との駆け引きができている。今はすごく楽しいと思ってプレーできています。
――3ゲーム目の11点を取りにいったあたりは、すごいスピード上げていた。リードして折り返す気持ちだった?
そうですね。次が2ゲーム目を取ったコートの方だったので、リードしたらいけるって思いました。出し惜しみしてもしゃあないと思ってたので、中盤で出し切ろう、もう後のことは知らん、っていう気持ちでいったのがよかったかなと思います。
――今日は多くの子どもたちが来ていた。自身のプレー通じて子どもたちにどういったところを感じてもらいたいか
今の僕は、本当に1球ずつ、しぶとくねばり強くやっている。海外の選手みたいにすごい一撃もなければ、とてつもないコントロールがあるわけではない。でも、ねばり強く相手にプレッシャーをかけていく、強い気持ちを持ってプレーするというところを見せられたらいいかなと思います。
――試合中は観客を煽って鼓舞するような場面もあった
鼓舞するといより、もう応援で相手にプレッシャーかけてほしかったので(笑)。もっと声出してくれっていう。今日は本当に、応援に救われました。
取材・構成/平野貴也、バドミントン・マガジン編集部
写真/平野貴也