6月9日に開催されたBWFワールドツアー・シンガポールOP(Super750)4日目は、各種目準々決勝が行なわれた。
上位進出をかけて準々決勝に挑んだ日本代表。男子シングルスの奈良岡功大は、中国のエースへと再び名乗りを挙げた石宇奇(シー・ユーチー/中国)と対戦。5月のスディルマン杯(中国・蘇州)準決勝で対戦している2人だが、この時は石宇奇が2-1で奈良岡を下している。奈良岡にとってはリベンジマッチとなった第1ゲーム、先制したのはその奈良岡だ。前半11-6で折り返すと、その後も追走する石宇奇を連続ポイントで引き離し21-14。第2ゲームは互いに点を奪い合う展開となったが、ここでも我慢強く戦った奈良岡が18-16から3連続得点を奪って勝負あり。準優勝だった前回大会に続く準決勝進出を決めた奈良岡は、決勝をかけてアンダース・アントンセン(デンマーク)と対戦する。
混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗(上写真・右)は、中国の馮彦哲(フォン・イェンジァ)/黄東萍(ファン・ドンピン)と対戦。スディルマン杯でも活躍した勢いのある中国ペアに対し、渡辺/東野は第1ゲーム23-21で奪取。先行した渡辺/東野が20オールに追いつかれる展開だったが、最後はしっかり取りきった。
続く第2ゲームは、12-21で失った渡辺/東野だが、仕切り直しのファイナルゲームは接戦に持ち込む。9-10の場面では、渡辺/東野が5連続得点で14-10。このリードを終盤まで守りきった渡辺/東野が、難敵を21-17で退けてベスト4進出を決めた。
女子シングルスと男子ダブルスは、どちらも日本人対決に。山口茜と大堀彩の勝負は、第1ゲームを奪われた大堀彩がファイナルゲームに持ち込んだものの、最後は山口が貫禄を見せて21-16で勝利。勝ち進んだ準決勝で陳雨菲(チェン・ユーフェイ/中国)と激突する。
保木卓朗(上写真・右)/小林優吾と古賀輝/齋藤太一の対決は、保木/小林に軍配があがった。第1ゲームは後半に抜け出した古賀/齋藤が21-12で先制するも、第2ゲームは保木/小林が取り返して最終ゲームへ。スピーディーなドライブ勝負が何度も繰り広げられる中、先にマッチポイントを握ったのは古賀/齋藤。20-18でリードし、あと1点で勝利の状況に持ち込んだ。が、ここで保木/小林も意地を見せる。劣勢の場面でも先に攻撃を仕掛けてポイントを奪い20オールにすると、その勢いのまま2連取に成功。終盤の鮮やかな逆転劇を見せた保木/小林が、ベスト4進出を果たした。
3ペアが勝ち残った女子ダブルスは、それぞれ中国と韓国の壁を乗り越えられずに準々決勝で散った。志田千陽/松山奈未は天敵の李紹希(イ・ソヒ)/ペク・ハナ(韓国)との勝負に挑むも、激戦となったファイナルゲームは最後に志田/松山が力尽き21-23で敗戦。1時間20分の勝負を制することはできなかった。
松本麻佑(上写真・右)/永原和可那、中西貴映/岩永鈴も中国ペアと好勝負を演じたものの、白星は奪えずに敗戦。女子ダブルスは中国3ペアと韓国1ペアが準決勝に勝ち進んだ。
6月9日の結果、10日の準決勝の対戦カードは以下の通り。
【男子シングルス】
▼準々決勝(6月9日)
奈良岡功大②〔21−14、21−16〕0●石宇奇(中国)41分
クンラビット・ビティサラン(タイ)②〔21−13、21−17〕0●クリスト・ポポフ(フランス)40分
アンダース・アントンセン(デンマーク)②〔12−21、21−13、21−11〕1●李佳豪(台湾)58分
アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)②〔21−13、16−21、21−12〕1●李詩灃(中国)62分
▼準決勝(6月10日)
奈良岡功大 – アンダース・アントンセン(デンマーク)
クンラビット・ビティサラン(タイ) − アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)
【女子シングルス】
▼準々決勝(6月9日)
山口茜②〔21−18、19−21、21−16〕1●大堀彩57分
陳雨菲(中国)②〔21−18、21−15〕0●スパニダ・カテソン(タイ)38分
戴資穎(台湾)②〔21−16、21−11〕0●何冰嬌(中国)34分
アン・セヨン(韓国)②〔21−18、21−18〕0●王祉怡(中国)48分
▼準決勝(6月10日)
山口茜 – 陳雨菲(中国)
アン・セヨン(韓国) − 戴資穎(台湾)
【男子ダブルス】
▼準々決勝(6月9日)
王昶/梁偉鏗(中国)②〔21−11、21−11〕0●レーン/ベンディ(イングランド)26分
A・チア/ソーWY(マレーシア)②〔18−21、21−16、22−20〕1●カルナンド/マーティン(インドネシア)78分
保木卓朗/小林優吾②〔12−21、21−15、22−20〕1●古賀輝/齋藤太一60分
催率圭/金ワンホ(韓国)②〔20−22、26−24、24−22〕1●テオEY/オンYS(マレーシア)89分
▼準決勝(6月10日)
王昶/梁偉鏗(中国) − A・チア/ソーWY(マレーシア)
保木卓朗/小林優吾 − 催率圭/金ワンホ(韓国)
【女子ダブルス】
▼準々決勝(6月9日)
陳清晨/賈一凡(中国)②〔21−12、21−14〕0●金昭英/孔熙容(韓国)36分
李紹希/ペク・ハナ(韓国)②〔21−17、20−22、23−21〕1●志田千陽/松山奈未80分
李汶妹/劉玄炫(中国)②〔22−20、21−19〕0●松本麻佑/永原和可那49分
鄭雨/張殊賢(中国)②〔21−19、19−21、21−16〕1●中西貴映/岩永鈴74分
▼準決勝(6月10日)
陳清晨/賈一凡(中国) − 李汶妹/劉玄炫(中国)
鄭雨/張殊賢(中国) − 李紹希/ペク・ハナ(韓国)
【混合ダブルス】
▼準々決勝(6月9日)
金ワンホ/鄭ナウン(韓国)②〔21−19、21−19〕0●鄭思維/黄雅瓊(中国)40分
クリスチャンセン/ボエ(デンマーク)②〔21−13、19−21、21−19〕1●スパク/スピッサラ(タイ)57分
チェンTJ/トーEW(マレーシア)②〔21−14、16−21、21−18〕1●李晉熙/吳芷柔(香港)58分
渡辺勇大/東野有紗②〔23−21、12−21、21−17〕1●馮彦哲/黄東萍(中国)64分
▼準決勝(6月10日)
金ワンホ/鄭ナウン(韓国) − クリスチャンセン/ボエ(デンマーク)
渡辺勇大/東野有紗 – チェンTJ/トーEW(マレーシア)
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO