国内のトップ選手が集う2023日本ランキングサーキット(埼玉・サイデン化学アリーナ)。熱戦が続いた大会の最終日となる5月31日は、各種目の決勝戦が行なわれた。ここでは、女子シングルスのダイジェストを紹介する。
【女子シングルス】
日本B代表対決となった女子シングルス決勝は、栗原あかり(筑波大/上写真)が、世界ジュニア女王の宮崎友花(柳井商工高)に2-0で勝利。大学生の優勝は、2007年の平山優(早稲田大/現・BIPROGY女子チーム監督)以来だ。
ここまで4試合、すべてストレート勝ちしてきた16歳の宮崎。試合序盤から必殺ショット、ラウンドからのクロスカットでノータッチエースを奪い、相手を追い詰めてきた。しかし、決勝の舞台で先手を取ったのは栗原。軽やかな足さばきでシャトルを追いかけ、より正確に強く打てる体勢に素早く入る。そこから力強いクリアー、ロブ、カットで揺さぶり、ネット前に逃げてきたところを仕留めていく。
宮崎の必殺ショットは、フォア奥に追い込むことで封印。追い込んでできたスペースに自分がクロスカットを決めるなど、絶妙なクロスショットで翻弄した。準決勝までほとんどミスをせず、ノータッチエースを奪われることもなかった宮崎は、我慢できずにミスでラリーを切ってしまう。3-3から連続6得点した栗原が、9-3と一気にリード。21-13の大差をつけて、第1ゲームを奪った。
第2ゲームも4-0と栗原がリード。宮崎(上写真)と同じくトリッキーなショットを見せるが、スピードとパワーで上回る。サービスフォルトを取られた場面も、ラウンドからのクロススマッシュですぐに取り返す。長い長いラリーを何度も制して声をあげる栗原に対し、冴えない表情の宮崎。終盤、コースをねらったクリアーがサイドアウトになって、20-12と栗原のマッチポイント。最後まで長いラリーで宮崎を走らせると、ネット前からクロスプッシュを決めてみせた。最後まで集中を切らさず戦い抜いた栗原は、シャトルがコートに落ちると大声とガッツポーズ。声援を送り続けた2階席に、さわやかな笑顔で手を振った。
▼決勝(5月31日)
栗原あかり(筑波大)②〔21-13、21-13〕0●宮崎友花(柳井商工高)
取材・文/平田美穂
写真/菅原淳