12月9日に開催されたBWFワールドツアーファイナルズ2022(タイ・バンコク)3日目は、各種目予選リーグ第3戦が行なわれた。日本勢は男子シングルスの奈良岡功大、女子シングルスの山口茜、男子ダブルスの保木卓朗/小林優吾が出場。山口と奈良岡が予選リーグを突破して決勝トーナメント・準決勝へと進んだ。
日本選手で最初に決勝トーナメント進出を決めたのは、世界女王の山口(上写真)。女子シングルス・グループAは4選手が1勝1敗で並ぶ混戦となり、最終戦で勝った選手が決勝トーナメントの切符を獲得できる状況だった。
インドネシアのグレゴリア・マリスカ・トゥンジュンと対戦した山口は、第1ゲームを21-15で先制するも、第2ゲームはトゥンジュンにペースを握られ13本で失った。ファイナルゲームは前半こそ6オールと競った山口だったが、ここから4連続得点などで14-7と大量リード。後半は猛追するトゥンジュンに18-16の2点差まで迫られたが、最後は突き放した山口が21-18で勝利をつかんだ。「ファイナルゲーム前半をリードしてチェンジ・エンズができたので、後半は攻めるだけだと思い、集中して戦いました」(山口)。
この勝利でリーグ成績を2勝1敗とした山口が、準決勝に進出。グループAのもう1試合は、陳雨菲(チェン・ユーフェイ/中国)がアン・セヨン(韓国)を下し、予選リーグ1位通過を決めている。
山口の次に決勝トーナメント進出を決めたのは奈良岡(上写真)。今大会初出場の期待のホープは、予選リーグ1勝1敗同士の陸光祖(ルゥ・グァンズ/中国)と対峙した。
同組のビクター・アクセルセン(デンマーク)がすでに2勝をつかんでいたため(インドのプラノイ・H.S.は2敗)、奈良岡は陸光祖に勝てば決勝トーナメントに進出できる状況。その中で迎えた第1ゲームは、互いにポイントを取り合う接戦を奈良岡が21-19で制し、相手にプレッシャーをかける。第2ゲームは、中盤10オールから奈良岡が4連続ポイントで引き離すと、そのままリードを広げて21-15で勝利。「シャトルコントロールがすごく難しかったけど、ロブのアウトをしないようにして、自分からアタックできたと思います」と奈良岡。また、ここまでの戦いについて、「正直、すごく緊張していた。不安もあったけど、3試合を通して自分らしくできていると思います」と振り返っている。
前回大会を制し、2年連続優勝をねらった保木/小林は、韓国の催率圭(チェ・ソルギュ)/金ワンホに0-2のストレート負け。第1ゲームを11本で失った保木/小林は、第2ゲーム14-11とリードする場面をつくったが、ここから韓国ペアがポイントを重ねて逆転負け。リーグ成績を1勝2敗とし、決勝トーナメント進出を逃している。
12月9日の結果は以下の通り(各グループ上位2名/ペアが決勝トーナメントに進出)。
【男子シングルス】
▼グループA
奈良岡功大(日本)②〔21−19、21−15〕0●陸光祖(中国)58分
プラノイ・H.S.(インド)②〔14−21、21−17、21−18〕1●ビクター・アクセルセン(デンマーク)51分
順位/①ビクター・アクセルセン(2勝1敗)②奈良岡功大(2勝1敗)③陸光祖(1勝2敗)④プラノイ・H.S.(1勝2敗)
▼グループB
ジョナタン・クリスティ(インドネシア)②〔21−13、12−21、21−17〕1●周天成(台湾)50分
アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)②〔21−12、23−21〕0●ロー・ケンイゥ(シンガポール)38分
順位/①アンソニー・S・ギンティン(3勝)②ジョナタン・クリスティ(2勝1敗)③ロー・ケンイゥ(1勝2敗)④周天成(3敗)
【女子シングルス】
▼グループA
山口茜(日本)②〔21−15、13−21、21−18〕1●G・M・トゥンジュン(インドネシア)61分
陳雨菲(中国)②〔21−16、21−12〕0●アン・セヨン(韓国)40分
順位/①陳雨菲(2勝1敗)②山口茜(2勝1敗)③アン・セヨン(1勝2敗)④グレゴリア・マリスカ・トゥンジュン(1勝2敗)
▼グループB
戴資穎(台湾)②〔21−10、12−21、21−7〕1●ラチャノック・インタノン(タイ)50分
何冰嬌(中国)②〔8−21、22−20、21−13〕1●ブサナン・ンバルンパン(タイ)59分
順位/①何冰嬌(3勝)②戴資穎(2勝1敗)③ラチャノック・インタノン(1勝2敗)④ブサナン・ンバルンパン(3敗)
【男子ダブルス】
▼グループA
催率圭/金ワンホ(韓国)②〔21−11、21−19〕0●保木卓朗/小林優吾(日本)40分
テオEY/オンYS(マレーシア)②〔10−21、21−17、21−19〕1●アルディアント/アルフィアン(インドネシア)53分
順位/①テオ・イーイ/オン・ユーシン(2勝1敗)②アルディアント/アルフィアン(2勝1敗)③催率圭/金ワンホ(1勝2敗)④保木卓朗/小林優吾(1勝2敗)
▼グループB
劉雨辰/欧烜屹(中国)②〔21−13、21−18〕0●セティアワン/アッサン(インドネシア)26分
アストルップ/ラスムセン(デンマーク)②〔21−19、23−21〕0●A・チア/ソー・WY(マレーシア)45 分
順位/①劉雨辰/欧烜屹(3勝)②セティアワン/アッサン(2勝1敗)③アストルップ/ラスムセン(1勝2敗)④アーロン・チア/ソー・ウィーイク(3敗)
【女子ダブルス】
▼グループA
ベンヤパ/ヌンタカン(タイ)②〔21−15、21−8〕0●鄭ナウン/金ヘジョン(韓国)34分
ジョンコパン/ラウィンダ(タイ)②〔21−10、21−17〕0●V・フー/リムCS(マレーシア)37分
順位/①ベンヤパ/ヌンタカン(2勝1敗)②鄭ナウン/金ヘジョン(2勝1敗)③ジョンコパン/ラウィンダ(2勝1敗)④ビビアン・フー/リム・チェウシエン(3敗)
▼グループB
陳清晨/賈一凡(中国)②〔21−16、21−16〕0●ラハユ/ラマダンティ(インドネシア)37分
鄭雨/張殊賢(中国)②〔21−19、20−22、21−9〕1●タン/ティナー(マレーシア)59分
順位/①陳清晨/賈一凡(3勝)②鄭雨/張殊賢(2勝1敗)③ラハユ/ラマダンティ(1勝2敗)④タン/ティナー(3敗)
【混合ダブルス】
▼グループA
鄭思維/黄雅瓊(中国)○(キケン)●ゴーSH/ライSJ(マレーシア)
リバルディ/メンタリ(インドネシア)②〔14−21、21−17、24−22〕1●ジケル/デリュウィ(フランス)66分
順位/①鄭思維/黄雅瓊(2勝)②リバルディ/メンタリ(1勝1敗)③ジケル/デリュウィ(2敗)※ゴー/ライのキケンにより、同ペアの試合はすべて無効
▼グループB
デチャポル/サプシリー(タイ)②〔23−21、21−13〕0●王懿律/黄東萍(中国)43分
タンKM/ライPJ(マレーシア)②〔21−17、22−20〕0●スパク/スピッサラ(タイ)41分
順位/①デチャポル/サプシリー(3勝)②タン・キァンメン/ライ・ペイジン(2勝1敗)③王懿律/黄東萍(1勝2敗)④スパク/スピッサラ(3敗)
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO