12月9日から13日まで開催されたスーパーシリーズファイナル(UAE・ドバイ)が終了し、海外トップ選手が出場する年内のビッグトーナメントはすべて消化された。ここでは10月から12月までのSSを振り返りながら、男子シングルスの状況などを紹介しよう。
男子シングルスの世界ランキングは こちら
現在世界ランク1位に立っているのは諶龍(中国)。10月のデンマークOP優勝を遂げたほか、中国OPでも準優勝。11月末の香港OP(8強)、12月のスーパーシリーズファイナル(3位)では不覚を取ったが、今年のスーパーシリーズ戦線を最後まで盛り上げた。2015年は1年間を通してランク1位を保持し続け、BWF(世界バドミントン連盟)の男子年間MVPも受賞。男子シングルスの顔として十分な活躍を見せた。
これに続くのがヤン・O・ヨルゲンセン(デンマーク)。こちらは10月からのSS4戦のうち上位成績はフランスOP3位のみと、やや息切れの面もあったが、12月のSSファイナルでは3位の結果を残し面目は保った。地元のデンマークOPでの8強止まりは痛かったが、後半戦も大崩れせずにランキング上位を守ってみせた。
3位に上昇したのは桃田賢斗だ。SSファイナルの11000Pを獲得したことで、再び自身の最高位3位までランキングを引き上げている。しかし、10月以降のSSではデンマークでの8強が最高で、フランス、中国、香港の3戦は16強。秋以降は苦しい戦いが続いてしまったが、SSファイナルVで改めて桃田の強さを世界に印象付けた。最後はよい形で締めくくれただけに、2016年は序盤でスタートダッシュをきって波に乗っていきたいところだ。
巻き返しをねらうリー・チョンウェイが3連続V
トップ戦線に、あの男が帰ってきた。マレーシアの英雄・リー・チョンウェイだ。長い出場停止から復帰した5月は世界ランクが3桁台だったが、約7カ月で世界ランク5位まで引き上げる活躍。もちろんチョンウェイの実力からすれば驚くことではないが、SSラスト3戦では連続優勝の大爆発。シード選手からみれば、これで初戦からチョンウェイと対決する可能性はなくなったが、今度は上位進出が困難になることが必至。五輪レース後半戦に臨む選手たちは、やっかいな強敵の復活に頭を悩ませそうだ。
このほかでは、9月のヨネックスOPジャパンで決勝を争った林丹(4位・中国)とビクター・アクセルセン(6位・デンマーク)や、台湾のエース周天成(7位)がトップ10を維持している。
気になるのはスリカンス・K.(9位・インド)の不調だ。12月のインドネシアマスターズ(GPG)で2位に入ったものの、SS戦線ではパッとしない結果が続いている。ほかのインド選手にも勢いがなく、レース後半戦は厳しい戦いになりそう。
韓国のエース孫完虎(13位・韓国)も中国OP3位のほかは、序盤での敗退が続く。むしろ韓国は10月のタイOP(GPG)、12月のK&Dグラフィックス/ヨネックスグランプリ(GP)を制している李炫一(12位・韓国)が好調。SSの出場数こそ少ないが、出た大会で結果を残して確実にポイントを上乗せしている。ロンドン五輪4強のベテランが虎視眈々と上位をねらっている印象だ。
日本勢は16位以内に誰が入るか !?
世界ランク3位の桃田に続く日本勢は、ベテランの佐々木翔が24位、上田拓馬が32位、西本拳太が45位、坂井一将が48位としている。リオ五輪に日本から2選手を送り込むには、16位以内に2名がランクインしていることが必須条件。最近結果に恵まれなかった佐々木は、今月20日に終えたメキシコシティグランプリ(GP)で4強入り。獲得したポイントは高いわけではないが、この結果をプラス材料にして今後レースに臨みたいところ。
上田は9月以降で厳しい戦いが続いている。腰のケガから復調の気配も見せているが、勝ち星が遠く苦しい状況に変わりはない。来年の1月のマレーシアマスターズ(GPG)などで上位に入り、3月から始まるSS戦線(第1戦・全英OP)につなげたい。
また、2016年度のA代表に選ばれた大学3年の西本は、今年のフランス、香港でのSSに出場。これからリオ五輪出場をめざすには険しい道のりだが、2020年の東京五輪につながる経験値をしっかり蓄えておきたい。
※世界ランキングは2015年12月23日付