バドミントンの国際大会であるダイハツ・ヨネックスジャパンオープンは、9月2日に丸善インテックアリーナで各種目の準々決勝を行なった。日本勢は女子シングルスの山口茜、混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗、男子シングルスの西本拳太が準決勝に進出。9月3日に行なわれる準決勝で、山口は陳雨菲(チェン・ユーフェイ/中国)と、渡辺/東野は、鄭思維(ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン/中国)と対戦。どちらも前週に行なわれた世界選手権の決勝戦の再戦となる。
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この日、大きな見せ場をつくったのは、西本(上写真)だった。初戦で桃田賢斗を破って勝ち上がってきた長身のチコ・アウラ・ドゥイ・ワルドヨ(インドネシア)と対戦。第1ゲームは高さのある相手の強打に押されたが、第2ゲームに入ると、ボディをねらってくる強打にうまく対応。引かずに中間距離での守備で対抗すると、ドライブ戦でも立ち向かった。
ファイナルゲームの18オールから押され気味のドライブ戦をねばって押し返すと、そこから3連続得点。最後は強打でマッチポイントを奪い切り、トマス杯から恒例となっている派手なガッツポーズと雄たけびを決めると、コート上で大の字。渾身の逆転勝利を収め、試合後は「僕の全盛期は、ここからなので」と胸を張った。初戦で世界ランク10位のラクシャ・セン(インド)、2回戦でジョナタン・クリスティ(インドネシア)を破ってきた勢いに乗り、ベスト4に進出した。
山口(上写真)は、ポンパウィ・チョチュウォン(タイ)に2-0で完勝。スピードのある相手を、さらに上回る鋭い反応で好レシーブを連発。ドライブ戦でも押し返し、相手のミスを誘って点数を重ねた。第2ゲームの終盤は追い上げを受けたが、危なげなく勝利。「反応とか、感覚的な部分は調子がよいままきている。そこは大切にしたい」と話し、優勝した世界選手権から好調を持続していることをうかがわせた。渡辺/東野も2-0のストレートで勝利。第1ゲームの中盤以降は、主導権を握り続けた。渡辺は「我慢できたし、相手が崩れるまで待つことができた」と事前のプラン通りに試合を進められた手応えを示した。
女子ダブルスの松本麻佑/永原和可那は、ベク・ハナ/イ・ユリム(韓国)にストレートで敗れた。序盤から流れに乗れないまま試合が進み、終盤に追い上げたものの第1ゲームを17-21で失う。第2ゲームは15-16から競り合いに敗れて17-21。永原は「相手に決められたというより、自分たちからミスをして相手に点数をあげてしまった」とミスの多さを悔やんだ。勝てば、世界選手権の準決勝で敗れた陳清晨(チェン・チンチェン)/賈一凡(ジャ・イーファン/中国)との再戦だったが、惜しくも届かなかった。
メインコートの最終試合に臨んだ常山幹太(上写真・左)は、0-2でアンダース・アントンセン(デンマーク)に完敗。高身長で守備範囲の広い相手を思うように揺さぶれなかった。第2ゲームは中盤まで互角だったが、ヘアピン勝負をプッシュで押し込まれるなど一気に点差を離されて、12-21。第2の故郷・大阪で念願のメインコートに立ったが勝利を挙げられず「低い球にカウンターを合わせられて、気持ち的に引いてしまった」と悔しがった。
準々決勝の日本選手の結果、準決勝の対戦カードは以下の通り。
【男子シングルス】
▼準々決勝(9月2日)
西本拳太②〔14−21、21−17、21−18〕1●チコ・アウラ・ドゥイ・ワルドヨ(インドネシア)79分
常山幹太●0〔11−21、12−21〕②アンダース・アントンセン(デンマーク)49分
▼準決勝
西本拳太 – アンダース・アントンセン
【女子シングルス】
▼準々決勝(9月2日)
山口茜②〔21−18、21−18〕0●ポンパウィ・チョチュウォン(タイ)41分
▼準決勝
山口茜 – 陳雨菲(中国)
【女子ダブルス】
▼準々決勝(9月2日)
松本麻佑/永原和可那●0〔17−21、17−21〕②ベク・ハナ/イ・ユリム(韓国)51分
【混合ダブルス】
▼準々決勝(9月2日)
渡辺勇大/東野有紗②〔21−15、21−14〕0●鄧俊文/謝影雪(香港)41分
▼準決勝
渡辺勇大/東野有紗 – 鄭思維/黄雅瓊(中国)
取材・文/平野貴也
写真/早浪章弘