世界選手権を終えて中2日、ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン(Super750)が8月30日に大阪・丸善インテックスアリーナで開幕を迎えた。大会初日、男子シングルス以外の4種目で日本勢が出場。混合ダブルスの金子祐樹/松友美佐紀、女子ダブルスの松本麻佑/永原和可那が日本勢対決を制して2回戦進出を決めた。
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大激戦となったのは、混合ダブルスだった。最新の世界ランクで金子(上写真・右)/松友が18位、昨年の世界選手権で銅メダルを獲得した山下/篠谷が25位。この種目のエースである世界ランク3位の渡辺勇大/東野有紗を追いかけて、来季の五輪レースで出場権獲得をねらいにいく立場の2組の激突は、文字通り一進一退の展開となった。
第1ゲームは、19オールからゲームポイントを握り合い、24-22で金子/松友が先取。第2ゲームは山下/篠谷が序盤の劣勢を跳ね返してシーソーゲームに持ち込み、篠谷の積極的な前衛プレーで21-17と押しきった。ファイナルゲームは、大どんでん返し。15オールから先に抜け出したのは、山下/篠谷。篠谷の強気のネットプレー、山下の意表を突いたロングサービスが決まり、4連続得点。ところが、最後の最後で松友が強心臓を発揮。相手の返球を予測して前に出ながら仕留めるなど一気にペースをばん回。6連続得点で21-19とひっくり返して勝利をモノにした。
松友は「自分が前で勝負して、仕掛けていって、その勝負で勝てなかったら、結局、負けると思いました。あそこまでリードされて、どうせ(守っても)終わってしまう。もう仕掛けて、自分が攻めて、その先は分からない」とめざすプレーを変えずに押し通した展開を振り返った。
女子ダブルスで勝利を挙げたのは、世界選手権で銅メダルを獲得した松本(上写真・右)/永原。中西貴映/岩永鈴との日本ペア対決に14本、11本で完勝した。長身を生かした上からのショットで相手を圧倒。先手を打ち、レシーブでも優位に立った。大きな展開で守備からリズムをつくる作戦だった中西/岩永だが、第1ゲームでバックアウトを出してから展開が小さくなり、ミドルレンジから前に出てくる相手の高さに捕まった。第2ゲームでは先に前へ出たり、クロスショットでかわしたりと逆襲を仕掛けたが、焦りからミスショットになり、流れをつかめきれなかった。
そのほかの日本代表は、初戦敗退となった。女子シングルスの髙橋沙也加は、何冰嬌(ヘ・ビンジャオ/中国)に0-2で敗戦。序盤からコントロールに苦しみ、優勢に立ったラリーでもミスが続出。試合の流れに乗れないまま、押しきられた。競技人生の集大成の場と臨んだ世界選手権での敗退から切り替えられなかった部分もあり「今後のことは、しっかり気持ちを整理して考えたいです」と進退を検討することを明かした。川上紗恵奈は、ベイウェン・ツァン(アメリカ)に1-2で逆転負け。第1ゲームはラリーの主導権を握ったが、第2ゲーム以降はパワーで押しきられた。
男子ダブルスの竹内義憲/松居圭一郎は、世界選手権でギデオン/スカムルヨ(インドネシア)を破って8強入りしたイングランドペアと対戦。第2ゲームを取り返してファイナル勝負に持ち込んだが、最後は相手のサービスに翻ろうされ、13-21で振りきられた。
8月30日の結果と31日の対戦カードは以下の通り。
【女子シングルス】
▼1回戦(8月30日)
髙橋沙也加●0〔13−21、11−21〕②何冰嬌(中国)38分
川上紗恵奈●1〔21−13、15−21、11−21〕②ベイウェン・ツァン(アメリカ)50分
▼1回戦(8月31日)
大堀彩 – アン・セヨン(韓国)
山口茜 – サイナ・ネワール(インド)
【男子ダブルス】
▼1回戦(8月30日)
竹内義憲/松居圭一郎●1〔14−21、21−17、13−21〕②レーン/ベンディ(イングランド)59分
▼1回戦(8月31日)
保木卓朗/小林優吾 – カルナンド/マーティン(インドネシア)
古賀輝/齋藤太一 – アルディアント/アルフィアン(インドネシア)
【女子ダブルス】
▼1回戦(8月30日)
松本麻佑/永原和可那②〔21−14、21−11〕0●中西貴映/岩永鈴40分
▼1回戦(8月31日)
志田千陽/松山奈未 – 金ヘジョン/鄭ナウン(韓国)
【混合ダブルス】
▼1回戦(8月30日)
金子祐樹/松友美佐紀②〔24−22、17−21、21−19〕1●山下恭平/篠谷菜留77分
▼1回戦(8月31日)
渡辺勇大/東野有紗 – エルガマル/ハニー(エジプト)
西川裕次郎/尾﨑沙織 – 高成炫/嚴恵媛(韓国)
【男子シングルス】
▼1回戦(8月31日)
桃田賢斗 – チコ・アウラ・ドゥイ・ワルドヨ(インドネシア)
西本拳太 – ラクシャ・セン(インド)
奈良岡功大 − リュウ・ダレン(マレーシア)
常山幹太 – 王子維(台湾)
取材・文/平野貴也
写真/毛受亮介