4月23日、アジアのトップ選手が集結するアジア選手権(フィリピン/4月26日〜5月1日)、世界国・地域別対抗戦トマス杯&ユーバー杯2022(タイ/5月8日〜5月15日)に挑む日本代表が、成田空港を出発。出発前の囲み取材に朴柱奉(パク・ジュボン)監督やアジア選手権3連覇をめざす桃田賢斗などが応じ、大会への意気込みを語った。ここでは、ト杯ユ杯での主将を務める桃田賢斗、髙橋沙也加のコメントを紹介する。
桃田賢斗
――大会に向けての意気込み
普段通り合宿を取り組めたので、あとは自分のペースで、試合までしっかりと気持ちをつくっていきたいと思います。
――アジア選手権は3年ぶりで、3連覇がかかっている
試合ができるのは、(中止が続いた)以前の状況を考えると幸せなことなので、一戦一戦大事に戦っていきたいと思います。(3連覇は)もう期間があき過ぎているので、特に意識していないです。1点1点、1球1球、しっかり自分のモノにできるようにやっていきたいと思います。しんどいことは多いと思いますけど、強い気持ちを持って、向かっていけたらと思います。
――トマス杯は主将として臨むが?
日本はみんなすごく仲がよくて、雰囲気もいい。あとは緊張感を持って過ごせるかだと思います。アジア選手権でどういう戦いができるかで、流れが変わってくると思いますが、(一戦一戦の姿勢が大事なので)トマス杯のことを考え過ぎず、まずは今回のアジア選手権に向けて調整したいと思います。
――パフォーマンスは復調途上だと思うが、今の課題は?
ネット前の踏み込みが、自分の中ではまだまだ勇気をもっていけていない気がします。本番では硬くなり過ぎないように、リラックスして普段通りのプレーができるように準備したいと思います
――パフォーマンスの理想が100としたら、今の状態は?
50くらいじゃないですか。
――(昨年末に)腰を痛めた影響は?
特にそれはないですけど、今はちょっと自分に自信がない部分があって、(プレーへの影響は)メンタル的な部分がすごく大きいのではないかと思います。
――好調だった2019年と比較されて「負けるようになった」と見られる部分もある
自分もあの(国際大会11優勝など)経験をして、周りの方もあの時を見ているので、やっぱり、“(当時に比べて)調子が悪いんじゃないか”とか、“あのときの桃田はもういないんじゃないか”みたいなコメントを目にするのは、ちょっと悲しいんですけど、そこはあまり意識し過ぎず、今の自分は今の自分でしかないので、今できることを全力を出しきりたいと思います。
――メンタルは勝つことで復調する?
そうですね。試合数が大事ですし、試合経験を積むためにも勝つことが手っ取り早いと思います。本当に紙一重の試合ばかりだと思うのですが、勝ちきりたいなと思います。
――技術的にまだ自信が持てないのか
技術的なところは、練習でしっかり取り組めているので問題ないです。気持ちの部分で、自信を持って一球一球を打てていないというのが、自分でもわかっているんですけど、そこがうまくいかないのが一番の課題だと思います。
――男子シングルスは他国の若手が伸びている印象がある
若い選手が出てきたら、自分もちょっと年齢を重ねてきたなと思うところもあります。でも、まだまだ負けたくない気持ちもあるので、すごく刺激をもらっています。
――練習の中で新たに取り入れていることは?
練習の中でどれだけ、自分に足りないものを意識できるか。先ほどの話したネット前のプレーや、ミスしてもいいから自分が思うプレーをするところは、取り組んでいます。
髙橋沙也加
――大会に向けての意気込み
コンディションは、良くも悪くもないですが、しっかりと練習はできています。ドイツOPや全英OPではいいプレーができた試合もあったので、それを継続してできるように楽しみたいと思います。
――アジア選手権は3年ぶりの開催
アジア団体で一度フィリピンに行ったことがあって、いい試合ができて縁起がよかったので、今回も勝ち負けにもこだわってやっていかないといけませんが、それよりもコートに立てることを楽しみながらやりたいと思います。先を見過ぎると自分の場合はいいプレーができないので、まずは1回戦をしっかり戦って、次、次と一つずつクリアしていきたいです。
――ユーバー杯は2年連続主将で挑みますが?
正直、2年連続で主将をやらせてもらえると思っていなかったので、今でもなんで自分なんだろうという気持ちがあります。まずはみんなをしっかりとまとめられるように頑張りたいと思います。
――ユーバー杯、個人としてはどんな意気込みで臨みたい?
第3シングルスは、気持ちの部分で勝負が決まると思うので、いかに相手より強い気持ちで試合をするかが大事だと思います。練習から緊張感を持ってやりたいと思います。
――ドイツ、全英で強い相手に勝てた手ごたえは?
ドイツでは、今まで一度も勝ったことがない戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)選手に勝てると思っていませんでした。一生勝てないんじゃないかと思っていた相手でしたが、いつもと違う気持ちで試合をできたのが勝因なのかなと思います。勝ち負けというより、いい試合をしようと思った時は結構いい試合ができています。全英でもプサルラ・V.シンドゥ(インド)選手とやったときに、勝ち負けより楽しくいい試合をしようと思ったので、そういうときは勝てるのかなと思いました。
――世代交代が進む時期。上の世代もまだ頑張っているぞというアピールになっている
証明できているかはわかりませんが、この年でもシングルスできるよ、というのは確かなのかなと思います。
取材・写真/平野貴也
構成/バドミントン・マガジン編集部