8月20日から23日にかけて、第51回全国中学校バドミントン大会(山梨県甲府市・小瀬スポーツ公園 体育館)で開催。20日は男子団体戦の1回戦、女子団体戦の1~2回戦が実施され、21日はそれぞれ決勝戦までが行なわれた。ここでは、青森山田(青森)が初優勝を果たした女子団体のダイジェストをお伝えする。
【ダイジェスト】
2年ぶりに開催された全中。今年は新型コロナウイルス感染防止のため無観客での実施に。大会前半に行なわれる団体戦には男女各24チームが出場し、多くの熱戦が繰り広げられた。
女子団体は大会初日に2回戦まで終わっており、2日目は準々決勝からスタート。4試合中3試合が2−1という熱戦だった。そこから準決勝に進んだのは、四つ角シードの4校。第1シードの青森山田(青森)は、四天王寺(大阪)に2−1で勝利。第2シードのふたば未来学園(福島)は、福井工大附福井(福井)に2−0で勝ち、東北大会決勝と同じカードでの全中決勝戦となった。
ダブルス2試合、シングルス1試合が3面同時にスタートした決勝戦。最初に決着がついたのはシングルスだった。ふたば未来の主将・秋田まなが、青森山田の次代を担う2年生、東谷悠妃に2−0で先制勝利。その直後、第2ダブルスは青森山田の主将・横内美音と副主将・石川乃乃葉のペアが、ふたば未来の2年&1年生、平田涼/溝尾花奈から2−0で勝利をあげた。
勝負を決する第1ダブルスは、青森山田が平本梨々菜/広瀬万倫、ふたば未来が山北眞緒/山本優愛と、トップダブルス同士の激突。第1ゲームは青森山田が21−18で奪い、第2ゲームはふたば未来がリードする展開で進む。ファイナルゲームになるかと息詰まる戦いは、青森山田が終盤から追い上げて17−17。さらに18−18から一気にポイントを重ね、最後は平本がネット前に飛び込んでシャトルを落としてゲームオーバー。青森山田が悲願の団体初優勝を勝ち取った。
22日は、男女ダブルス・シングルスの2回戦から準々決勝が同会場で行なわれる(1回戦は21日に実施)。試合開始時間は9時の予定。
【優勝コメント】
成田奈緒監督
「(試合が終わった直後は)人一倍泣いてしまいましたが、まだ初優勝を勝ち取ったという実感は湧かないです。ただ、この時のために、子どもたちは本当にいろんなことに苦しみながらやってくれて、そのおかげでこんな思いができるんだなと感謝しています。今年は東京オリンピックがあって、福島(由紀)先輩と永原(和可那)先輩の試合を、みんなで観戦したのも大きかったです。『あの先輩たちを越える選手になりたい』と、ものすごく刺激になって、そこからさらに頑張れました。また、ベンチに入って一緒に熱く戦ってくれた藤田真人先生がいなければ、優勝できなかったと思います。たくさんの方々に本当に感謝しています」
横内美音キャプテン(写真左、右は石川乃乃葉)
「(同じ東北勢であり一番のライバルである、ふたば未来学園中に勝てた要因は)最後まであきらめない気持ちだと思います。先生がいない時でもサボることなく、自分たちで厳しくやってきました。それがちゃんと結果になって、本当にうれしいです。みんな楽しむ時は楽しむ、切り替える時は切り替えるメリハリがある。お互いに支え合って、お互いが高めあっていけるチームです」
【21日の結果】※準々決勝以降
▼準々決勝
青森山田(青森) 2-1 埼玉栄(埼玉)
四天王寺(大阪) 2-1 小俣(三重)
福井工大附福井(福井) 2-0 帯広第一(北海道)
ふたば未来学園(福島) 2−1 柳井(山口)
▼準決勝
青森山田 2-1 四天王寺
ふたば未来学園 2-0 福井工大附福井
▼決勝
青森山田 2-1 ふたば未来学園
平本梨々菜/広瀬万倫②〔21-18、21-18〕0●山北眞緖/山本優愛
東谷悠妃0●〔13-21、16-21〕②秋田まな
横内美音/石川乃乃葉②〔21-15、21-18〕0●平田涼/溝尾花奈
*全国中学校大会の詳報や写真、全記録を掲載する『バドミントン・マガジン10月号』は9月22日(水)より発売予定。熱戦の模様を誌面でも、ぜひご覧ください!
取材・文/平田美穂
写真/井出秀人