8月1日に開催された東京オリンピック・バドミントン競技(武蔵野の森 総合スポーツプラザ)9日目のナイトセッションは、女子シングルスの決勝&3位決定戦が行なわれた。
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81分の激闘となった女子シングルス決勝。栄光の金メダルを手にしたのは、中国の陳雨菲(チェン・ユーフェイ/上写真)。優勝候補、そして最大のライバルでもある戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)との勝負を見事制した。
試合は、戴資穎のフォア奥からの鋭いクロスカットから始まった。互いに際どいコースをつきながらペースをつかみにいくが、オリンピックの頂上決戦に進んだトップ同士、そう簡単には主導権を譲らない。陳雨菲が10-7とリードすれば、すぐに戴資穎が逆転して13-11。陳雨菲が3連取で再びリードしても、戴資穎は負けじと16-15と先行した。意地のぶつかりあいは終盤、19-18から2連取した陳雨菲が第1ゲームを先取している。
第2ゲームも、スコアは常に接近しながら試合が進んだ。クロスショットやネット前のフェイントで崩しにかかる戴資穎(上写真)に対し、陳雨菲も食らいついて返球。ここでも好ラリーを何度も展開した両者だが、中盤に4連続得点で16-14とした戴資穎が、その後のシーソーゲームを先に抜け出し21-19でファイナルゲームに持ち込んだ。
金メダルがかかった最終ゲーム、序盤から抜け出したのは陳雨菲。10-3と点差を広げ、メダルに大きく近づく。しかし、初の金メダルに執念を燃やす戴資穎が猛追。3度の3連続得点で14-15とし、陳雨菲の背中に急接近した。
それでも、中国の若きエースは落ち着いていた。「相手は非常にアグレッシブに攻めてきたけど、心の中では“大丈夫。心配ない”と思うようにしていた」と陳雨菲。疲労も溜まり苦しい場面となったが、ここから意地の3連取などで18-14と引き離す。陳雨菲が先に20-18で王手をかけると、最後はロングラリーの末に戴資穎が痛恨のヘアピンミス。歓喜の雄叫びとともに、陳雨菲の金メダルが決まった。
2大会連続のメダルをめざすプサルラ・V.シンドゥ(インド)と、中国に同種目で2個目のメダル獲得をねらう何冰嬌(へ・ビンジャオ)が激突した3位決定戦。シンドゥが第1ゲームを13本に抑えてリズムをつかむと、第2ゲームも攻撃の手を休めずプレッシャーをかける。何冰嬌もねばり強く好機を探ったが、11オールから一気に抜け出したシンドゥが21-15で制し、銅メダルを獲得。リオ五輪の銀メダルから色は変わったものの、母国インドにメダルをもたらした。
▼決勝
陳雨菲(中国)②〔21−18、19−21、21−18〕1●戴資穎(台湾)81分
▼3位決定戦
プサルラ・V.シンドゥ(インド)②〔21−13、21−15〕0●何冰嬌(中国)53分
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/Getty Images