8月1日に開催されている東京オリンピック・バドミントン競技(武蔵野の森 総合スポーツプラザ)9日目のデイセッションは、男子シングルスの準決勝が行なわれた。
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波乱含みの男子シングルス。ライバルたちとの戦いを勝ち抜いて準決勝に進んだのは、5年前のリオ五輪金メダリスト諶龍(チェン・ロン/中国)、そして銅メダルを獲得したビクター・アクセルセン(デンマーク/上写真)。ここにインドネシアのアンソニー・S・ギンティンと、グアテマラのケビン・コルドンが名前を連ねた。
決勝戦をかけた最初の準決勝は、アクセルセンとコルドンが対戦。2017年世界選手権優勝やワールドツアーでの優勝実績があるアクセルセンに比べ、コルドンは世界ランク59位と格下の相手。それでも、第1ゲームはコルドンがアクセルセンの攻撃を警戒しながらラリーを展開。なんとか食らいついて一時は16-14とリードを奪った。
一方、思わぬ苦戦をしいられたアクセルセンは「こんなに緊張した試合は過去を振り返ってもあまりない」という中でのプレー。それでも、少しずつスピードを上げると、相手のミスを見逃さず18-17と逆転。さらに畳み掛けたアクセルセンが、21-18で第1ゲームを先制した。第2ゲームは高さを生かしたアタックを仕掛けたアクセルセンが先行。コルドンが「もう少しネット前でのプレーを増やしたかったが、彼のほうがスピードは速かった」と振り返った通り、中盤以降はアクセルセンがトップランカーの貫禄を示して21-11で勝利。決勝進出の切符を手にした。
続く準決勝は、ギンティンと諶龍(上写真)が激突。2大会連続の五輪金メダルをねらう諶龍は、第1ゲームからリズムをつかんで10-5と先行。「準決勝だから特に何か戦略を考えていたわけではない。必要なのは、自分の持っている明確な戦い方をただ実行するだけ」(諶龍)と、持ち味であるフィジカルの強さと堅いディフェンスを軸にラリーを展開し、21-16で先制した。
続く第2ゲームも諶龍ペースは変わらない。ギンティンは得意の攻撃からポイントをねらったが、「諶龍はシャトルをなかなか上げてこなかった。最初から最後まで試合をコントロールされてしまった」と、打開策がないままミスも重なり連続失点。最後は諶龍が21-11で振り切り、5年ぶりの五輪金メダルに王手をかけた。
8月1日のデイセッションの結果は以下の通り。
【男子シングルス】
▼準決勝(8月1日)
ビクター・アクセルセン(デンマーク)②〔21−18、21−11〕0●ケビン・コルドン(グアテマラ)40分
諶龍(中国)②〔21−16、21−11〕0●アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)56分
▼決勝(8月2日)
ビクター・アクセルセン – 諶龍
▼3位決定戦
ケビン・コルドン – アンソニー・S・ギンティン
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/Getty Images