6月2日、2021日本ランキングサーキット(埼玉・サイデン化学アリーナ)最終日は、各種目の決勝が行なわれた。ここでは、混合ダブルスのダイジェストと選手コメントをお伝えする。
【混合ダブルス】
山下恭平(写真左)/篠谷菜留と西川裕次郎/尾﨑沙織のNTT東日本対決となった決勝戦。手の内を知り尽くすペア同士だけに、立ち上がりから長いラリーが続いた。
だが、試合は徐々に山下/篠谷ペースに。前日に「気持ちで引かずにプレーしたい」と話していた篠谷は、積極的に前に出てチャンスメーク。後ろで山下も精度の高いショットを繰り出してリズムをつかむと、第1ゲームを11本に抑えて先制。第2ゲームも勢いは止まらず、ゲームを支配。攻撃力の高い西川、前衛が巧みな尾﨑に仕事をさせずに、一気に優勝を決めた。
B代表3年目での初優勝。山下は社会人1年目のタイトルで、「優勝できてすごくうれしいです。120点のプレーができました」と初々しい笑顔を見せた。
▼決勝(6月2日)
山下恭平/篠谷菜留(NTT東日本)②〔21-11、21-9〕0●西川裕次郎/尾﨑沙織(NTT東日本)
【決勝後コメント】
優勝 山下恭平/篠谷菜留(NTT東日本)
山下(写真右) 決勝は練習でも勝ったり負けたりするペアでしたが、我慢し続けて自分たちのプレーをしていけたのがよかったです。(個人的なプレーの評価は)120点です! でも、これで満足せずに、男子ダブルスでも優勝できるようにしたい。渡辺勇大さんといういい見本がいるので、追いかけて頑張っていきたいです。
篠谷 決勝の相手はチームメートですが、特にやりづらさはなかったですし、相手どうこうというより自分たちのプレーをしようという気持ちでした。今大会は準々決勝で気持ちが引いてしまいましたが、コロナ禍で試合をさせていただけることに感謝しながら、自分なりに、大会を通して成長できたかなと思います。(ペアを組んで3年目の初タイトルについて)組んで出られた大会は少ないのですが、今回優勝できたことで、これまでやってきたことが間違っていなかったという自信につながりました。世界ランキングを上げていくことが目標ですが、国内トップの渡辺(勇大)/東野(有紗)ペアに独走されないように、なんとか食らいついていきたいです。
準優勝 西川裕次郎/尾﨑沙織(NTT東日本)
西川(写真左) 相手のスピードが速くて、自分たちが後手に回ってしまった。相手のリズムで、いいようにやられてしまいました。話し合って変えようとしたのですが、勢いに乗ってしまった相手に追いつくことができなくて…。自分たちも、これを取れば流れがくるというところで単調なミスをしてリズムに乗れなかった試合でした。この敗戦を無駄にせずに、次に向けて改善していきたい。負けている場面でしっかり話し合って、変えようとできた部分は、今後につながると思います。
尾﨑 自分たちのやりたい形ができなかった。その中でも、展開を変えなきゃいけなかったのですが…相手に先手を取られてしまいました。今大会は優勝したい気持ちが強かったので、悔しい気持ちが大きいです。ただ、大会が少ない中で、こうして試合ができて、自分たちのよくないところ、直さなきゃいけないところが実戦でわかったので、そこをまたしっかり練習していければと思います。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳