3月17日から21日までBWFワールドツアー・ヨネックス全英OP(イングランド・バーミンガム/Super1000)が開催される。この1年間、新型コロナの影響で多くの大会が中止、延期となる中、昨年に続き大会を開催。格式高い全英OPは、今回で111回目を迎える。ここでは、世界トップの誰もが憧れる全英OPの各種目の展望を紹介。第3回は男子ダブルスにクローズアップする。
2020年のダイジェストは こちら
男子ダブルスはインドネシアのギデオン/スカムルヨ(上写真・右)、セティアワン/アッサンの2ペアを中心に、日本勢の遠藤大由/渡辺勇大、園田啓悟/嘉村健士らが上位進出をねらう。
世界ランク1位のギデオン/スカムルヨは、新型コロナの影響により1月の3大会を欠場。国際大会は昨年の全英OP以来となる。一方、セティアワン/アッサンは、トヨタタイOPでベスト4、WTファイナルズ2020は準優勝の好結果を出しており、実戦経験を踏まえて今大会に挑む。ギデオン/スカムルヨは2018年以来、セティアワン/アッサンは2019年以来の全英チャンピオンをねらう。
日本勢の園田啓悟/嘉村健士は第3シード、遠藤大由(上写真・右)/渡辺勇大は第4シードを獲得。園田/嘉村はギデオン/スカムルヨの山に、遠藤/渡辺はセティアワン/アッサンの山に入っており、順当に勝ち進めばそれぞれ準決勝で激突することになる。
このほかに上位候補となりそうなのは、インドネシアのアルディアント/アルフィアンやマレーシアのゴーVS/タンWK。欧州勢ではアストルップ/ラスムセン(デンマーク)、ラングリッジ/エリス(イングランド)などが意地をみせるか。日本の保木卓朗/小林優吾と古賀輝/齋藤太一は1回戦から激突する。
なお、今回は1月のタイOPやWTファイナルズ2020で活躍した台湾の王齊麟(ワン・チーリン)/李洋(リー・ヤン)が欠場。中国代表も出場を見送っている。
【日本選手1回戦の対戦相手】
園田啓悟(左)/嘉村健士(WR5位)
1回戦:ローリッツェン/ムールホルム(デンマーク)
ギデオン/スカムルヨの山に入った園田/嘉村。1回戦で対戦するのは初顔合わせとなるデンマークペア。世界ランク82位と決して強豪ではないだけに、ここはきっちり実力を発揮して勝利をつかみたい。2回戦は日本の後輩ペア、保木卓朗/小林優吾VS古賀輝/齋藤太一の勝者と対戦。ここを勝ち上がれば、準々決勝はイングランドのラングリッジ/エリスとの勝負が見込まれる。
遠藤大由(右端)/渡辺勇大(WR6位)
1回戦:C・グリムリー/M・グリムリー(スコットランド)
昨年はギデオン/スカムルヨを決勝で破り、全英初優勝を飾った遠藤/渡辺。全英2連覇をめざし強敵との戦いに挑む。1回戦の相手は格下となるスコットランドのグリムリー兄弟、2回戦ではインドペアとマレーシアペアの勝者と対戦する。山場となりそうなのが準々決勝。順当に勝ち上がれば、マレーシアのゴー/タンとの勝負になりそうだ。
保木卓朗(奥)/小林優吾(WR15位)
古賀輝(手前)/齋藤太一(WR31位)
1回戦から日本ペア同士の対戦となった。保木/小林は昨年2回戦で、初出場だった古賀/齋藤は1回戦でともにセティアワン/アッサンとファイナルゲームの末に敗戦。今回は勝てば園田/嘉村との対戦が待っているだけに、手の内を知る日本ペア同士の勝負となれば、上位進出の可能性も十分に高まる。
【全英選手権】
1899年に第1回大会をロンドンで開催。当初は男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスの3種目で行なわれた(翌年から男女シングルスも実施)。バドミントンの国際大会としては、最も古い歴史を持つオープントーナメントとして知られている。
1977年に世界選手権が開催される以前は、世界の頂点を決める大会として世界のトップ選手が出場し、多くの名勝負を繰り広げてきた。
日本選手は1960〜70年代にかけて、女子シングルスに出場した高木紀子、湯木博恵、竹中悦子などが優勝。女子ダブルスでも相沢マチ子/竹中悦子、徳田敦子/高田幹子などが頂点に立っている。最近では2016年に女子シングルスの奥原希望、女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀が単複W制覇を遂げたほか、2018年は混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗が、同種目日本勢初の優勝。2019年は男子シングルスの桃田賢斗が同種目初優勝を遂げ、2020年は男子ダブルスの遠藤大由/渡辺勇大、女子ダブルスの福島由紀/廣田彩花が頂点に立っている。※選手名は当時
【注意】
記事内の展望は3月3日時点でのエントリー状況などから作成しています。海外選手など欠場している場合がありますので、ご了承ください。
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO