12月27日に開催された第74回全日本総合選手権(東京・町田市立総合体育館)最終日は、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの決勝戦が行なわれた。ここでは、男子ダブルス優勝の遠藤大由/渡辺勇大のコメントを紹介する。
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遠藤大由(左)/渡辺勇大
(日本ユニシス)
決勝結果:保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)に2-0で勝利
――決勝を振り返って。
遠藤 序盤は相手のスピードが速くて対応できませんでしたが、後半に入って、渡辺選手の3球目(の対応)から流れがガラッと変わって、本当に助かった印象です。その勢いで2ゲーム目も取れたんじゃないかと思っています。
渡辺 1ゲーム目の劣勢の場面で、サービスまわりを積極的にいくことで相手がプレッシャーを感じてくれた。それまでは僕らが一方的にプレッシャーを感じてしまうラリーしかできていなかったので、ゲームを落とす前に工夫してラリーの展開を変えられたことが今日の勝利につながったと思います。
――優勝の喜びの度合いは?
遠藤 総合は僕の中ですごく大事な大会。今こうして冷静にしゃべっていますけど、本当にうれしく思っています。
渡辺 遠藤さんより僕は感情を出すほうなので(笑)、遠藤さんよりうれしい気持ちでいっぱいです。ただ、世界で勝っていくため、世界で一番になるためには、まだまだ足りない部分がたくさんある。これに満足せずに、ひたむきに頑張っていけたらと思います。
――この1年で成長できた点、得たものとは?
渡辺 なかなか大会が開催されず不安な気持ちもありましたけど、総合で優勝できたことがかなり自信になりましたし、それが一番の成長できた部分になると思います。
遠藤 試合がない中でこういった結果が出せることが、今一番の自信になっています。途中で作戦を変えられたことが、よかったのかなと思います。
――取り組んできた新しい形への手応えについて。
遠藤 本当に久しぶりの試合だったので緊張もありました。思うように体が動かず、今まで練習で積んできたものをまだまだ出せていない印象です。
渡辺 この1大会だけで、“できた”、“できない”というのを決めつけてしまうのはよくないと思います。ただ、プラス材料もたくさんあったので、そこは前向きにとらえています。僕らアスリートは、トライし続けるのが必要だと思うので、何度も言っていますが、上を見て、引き続きやっていきたいなと思います。
――渡辺選手はミックスと合わせて今大会9試合。大会がなかった中で迎えた総合で、疲労感や、やりきった感覚はどうか。
渡辺 大会を通じて昨日が一番しんどかったです。今日は、あと2試合で正月休みに入れるので……すげーみんな頷いてる(会場一同笑い)。気合いを入れて乗りきることができたのでよかったと思います。昨日とか一昨日とか、頑張らなきゃいけないところで自分を鼓舞していけた。体力だけでなく、気力の部分でカバーできるようにしていかないと、2種目を勝ち上がっていくのは難しいなと実感しました。
――今後の目標について。
遠藤 今大会で新しい課題が見つかった。いいところだったり、いろいろあったので、そこを2人で再確認して、もう一段回強くなれればいいなと思います。
渡辺 ミックスの会見でもいいましたが、一番大きな目標はオリンピックで金メダルを取ることというのは変わらずやっていきたいですし、一試合、一試合がかなり大事になってくる。これから国際大会が少しずつ再開されていく中で、どれだけコンスタントに成績を残せるかが大事になってくると思うので、また気持ちを新たに、年始から頑張っていきたいと思います。
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳