12月26日に開催された第74回全日本総合(東京・町田市立総合体育館)5日目は、5種目の準決勝が行なわれた。ここでは、熱戦となった女子ダブルスのダイジェストを紹介する。
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【女子ダブルス】
ベスト4に勝ち残ったのは、前回の女王ペア、松本麻佑/永原和可那(北都銀行/上写真左)と福島由紀/廣田彩花(丸杉Bluvic)のA代表2ペア。そして、準々決勝の激闘を制した櫻本絢子/髙畑祐紀子(ヨネックス)と、ケガからの復帰戦で上位進出を果たした米元小春/田中志穂(北都銀行)だ。
先に決勝の切符を手にしたのは松本/永原。前日の接戦を切り抜けた櫻本/髙畑に対して、第1ゲームは序盤からリードを奪って試合を進めた。松本が「競っても追い抜かれることや、相手にリードを許す局面があまりなく、最後まで自分たちのペースを貫けた」と振り返るように、櫻本の強打をしっかりレシーブしながらポイントを奪い21-17で先制。続く第2ゲームも松本/永原のペース。なんとか攻撃の糸口を探る櫻本/髙畑も13-14と1点差まで詰め寄ったが、ここから4連続失点。「私たちが横並びになること多かった」(髙畑)と、松本/永原の攻勢を抑えきれなかった。21-17で第2ゲームを制した松本/永原が、2年連続で決勝進出を決めた。
今年10月のデンマークOPで優勝を飾った福島(上写真・右)/廣田は、米元/田中と対戦。昨年の世界選手権でアキレス腱断裂の大ケガを負った米元だが、1年4カ月ぶりの復帰となった総合で連勝を飾った。「この大会は1年4カ月分の思い、自分たちの成長を表現する場」(米元)という思いを胸に、世界トップクラスのディフェンス力を誇る福島/廣田に挑んだ。
試合は福島/廣田が先行する。ともにロングラリーも苦にしないペアのため長期戦も予想されたが、第1ゲームは11−6と福島/廣田がリードしてインターバル。その後も要所でポイントを奪った福島/廣田が、21-12で第1ゲームを奪った。
「昨日よりは積極的にレシーブができて、2人の形をつくれました」とは福島。このままあっさり勝負が決するかと思われたが、ここで意地を見せたのが米元/田中だった。6-12、11-15と離されながらも、すぐに連続得点でピタリと追走。「相手がやってくることに対して冷静に対応できていた」(米元)と振り返るように、福島/廣田の攻撃をしのぎながらペースを変えて、逆転のチャンスをねらう。
20-17と先にマッチポイントを奪ったのは福島/廣田。しかし、米元/田中が相手のミスなどから3連続ポイントで20オールに。一気に最終ゲームに持ち込みたかった米元/田中だが、追われている福島/廣田は落ち着いていた。「2人で我慢していこうと声を掛け合ってやっていた」と追いつかれてからすぐさま2連取。22-20で振り切った福島/廣田が、決勝進出を決めた。
▼準決勝
松本麻佑/永原和可那(北都銀行)②〔21-17、21-17〕0●櫻本絢子/髙畑祐紀子(ヨネックス)
福島由紀/廣田彩花(丸杉Bluvic)②〔21-12、22-20〕0●米元小春/田中志穂(北都銀行)
▼決勝
松本麻佑/永原和可那 − 福島由紀/廣田彩花
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳