バドミントン界の絶対王者・桃田賢斗が自らのライバルと公言するのが、インドネシアのアンソニー・シニスカ・ギンティンだ。世界ランキングでは6位(3月17日付)と、王者との差は歴然だが、大会でひとたび二人の対戦が実現すれば、誰もが接戦を期待する。
ギンティンと桃田は、過去15回対戦。桃田が勝利したのが11回に対し、ギンティンの勝利は4回。ライバルと呼ぶには圧倒的な差があるが、それでもトップ選手の中で現在、桃田にこれだけ対抗できるのは彼だけといっていい。
多くの日本のファンの記憶に残っているのは、2019年のダイハツ・ヨネックスジャパンOP準々決勝か。第1ゲームを桃田が先取するも、第2ゲーム20オールから決めきれずに、ファイナルゲームへ。互いに技術を見せ合うスリリングなゲーム展開は、17-15から桃田が日本ファンの声援を背に終盤の集中力の高さで押し切ったが、「あと5分試合が長かったら立っていられなかった」と勝者が語るほどハードなものだった。
一番最近の対戦である2019年のワールドツアーファイナルズの決勝も印象深い。ランキング上位8人のみに出場が許される大会。さらにリーグ戦ののちに準決勝、決勝を行なうツアーファイナルズならではのレベルの高い連戦のすえに、互いにスタミナを削り合いながらファイナルゲームにもつれる熱戦を繰り広げた。
ファイナルゲーム。先にギアを上げたギンティンが12-5とリードし、勝負を決めにかかるが、桃田も譲らない。冷静にロングラリーを仕掛けてギンティンを揺さぶると、相手のミスを誘って連続得点。劣勢での冷静さを見せた桃田が、大逆転勝利を果たした。
「桃田との試合は、常にエキサイティングです。だからこそ、多くの観客はいつも私たちの二人の試合を見て、楽しんでいるのだと思う。おそらく、私たちはそれぞれ、お互いの強みをすでに知っています。だから、彼と戦うときは常にきついと感じます」
桃田との対戦についてギンティンはそう話す。そして桃田の存在が、自身の刺激になっているとも語る。
バドミントン・マガジン5月号では、桃田の最大のライバル、ギンティンが、これまでのキャリア、そして桃田とのライバル関係についてなどを明かしてくれている。東京五輪で大きな注目を集める日本代表だが、バドミントン・ファンには日本選手のライバルとなる存在にもぜひ注目してほしい。
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文/バドミントン・マガジン編集部