3月17日、イングランド・バーミンガムで開催されたBWFワールドツアー・ヨネックス全英OP(Super1000)で優勝を飾った男子ダブルスの遠藤大由/渡辺勇大、女子ダブルスの福島由紀/廣田彩花らが囲み取材に応じた。ここでは、男子ダブルスでは日本勢初優勝となった遠藤/渡辺のコメントを紹介する。
記事・コメントの一覧はこちら
――大会を振り返って
遠藤 本当に勝ちたい大会でした。勝つことができて、あらためてうれしく思っています。
渡辺 本当に素晴らしい大会ですし、僕自身好きな大会、勝ちたいなと思う大会の一つ。最後までコートに立って、優勝できたことを自信に変えて、これからもやっていきたいと思います。
――コロナウイルスの影響を、選手としてはどのように感じているか
遠藤 いろいろとスケジュールが変わって大変ですが、ポジティブに考えて、しっかりトレーニングができる期間だと思って体を鍛えていきたいと思っています。
渡辺 僕らは準備をするだけです。自分たちの100パーセントの力を出しきれる状態を、つねに作っておくことが大事だと思っています。
――代表選考方法の見直しもあるが、この期間をどう過ごすか
遠藤 あまり深いことを考えず、できることをしっかりやって、今後のために準備していきたいです。
渡辺 強くなることだけを考えて、また一つずつ先に進みたいと思います。
――試合中、何度も「WATANABE」コールがあったが、コートではどう感じたか
渡辺 好きな大会の一つですし、毎年かなりの応援をしていただき、僕に勇気を与えてくれる。それを思いきり背に受けて戦うことができたと思います。
――他競技は無観客で行なわれているが、全英では多くの観客の前でプレーできた
渡辺 試合をする側としては、声援を受けることでモチベーションも上がったり、パフォーマンスをうまく発揮できたりする。無観客になっていたかもしれないですけど、僕らとしては、声援を受けてプレーできたことは非常にプラスだったと思います。
――日本男子ダブルスとして初優勝。オリンピックに弾みがつく優勝になった
渡辺 オリンピックが今後どうなるかわからないですが、僕らがめざすところは一番高いところ、金メダル。常に金メダルを取れるモチベーションとコンディションを保っていきたい。この優勝は優勝として一度区切って、また一からスタートしたいです。
――オリンピックをどのような環境で迎えたいか。
遠藤 もちろん皆さんの前でプレーできればいいですけど、どうなるかわからない。従うしかないかなと思います。
渡辺 もちろん、皆さんの前でプレーしたい気持ちはありますが、やはり命の方が大切。国の決定に従うべきかなと思います。
――渡辺選手が高校を過ごした福島に、いいニュースが届けられた
渡辺 ミックスとダブルスの1回戦が3月11日。当時は僕も福島にいました。まだ復興をしておらず、被災された方がたくさんいるなかで、僕らができることはバドミントンで勝って、少しでも勇気や元気を与えていくことだと思う。優勝して、福島の皆さんに少しでも感動とか勇気を与えられたかなと思っています。
――親御さんの支えについて
渡辺 福島に送り出してくれた両親もそうですし、これまで支えてくれた方々、本当にたくさんの方々のおかげで、いまここに立っている。一番は、一番近くで見守ってくれている両親に感謝しています。
――2人にとって久々の大会(昨年末のWTファイナルズ以来)。その期間でプラスに働いた部分、学べた部分はあったか
遠藤 個々の能力を高めていったので、とっさの時にでも、いろんな戦術が生きたかなと思います。
渡辺 僕がケガをしていたので、そのリハビリ期間がすごく長かった。(期間中は)映像などを見直して、あらためて自分のいいところ、悪いところに気づけたし、自分の足りないところは何かというのを、一から考える時間がありました。その点で、いつもより自分に問いかける時間が多くなり、それがよかったかなと思います。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部