1月29日、BWF(世界バドミントン連盟)が中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる大会開催に関し、同連盟の現時点での見解について発表した。
BWFによると、新型コロナウイルスの影響により、いくつかの国が中国への飛行機の発着便を一時停止したことを認識しており、今後、BWFが主催するワールドツアーや、そのほかの公認トーナメントに混乱がきたさないように注意深く見守っていく姿勢を示している。
中国では、2月25日から3月1日まで陵水中国マスターズ(S100)の開催を予定している。BWFは、同大会の開催日程や会場の変更については未決定としており、今後は感染リスクなどを明確化しつつ、開催地と中国バドミントン協会と協力しながら引き続き実施に向けて検討していく。
また、コロナウイルスが発生した武漢では、4月21日から26日まで、アジア選手権が開催される。同大会はアジア連盟の主催となるが、ここでの結果はBWFの世界ランキングポイントにも反映。東京五輪の出場枠を決める五輪レースは、アジア選手権の結果が反映された4月28日付けの世界ランキングによって決定するため、BWFも同大会の開催について注視しているが、開催地の変更などに関しては「最終結論を出すには、現時点ではまだ早すぎる」としている。
世界選手権を延期した過去も
2003年には、新型肺炎SARS(サーズ/重症急性呼吸器症候群)が世界的に流行。当時のIBF(国際バドミントン連盟/現BWF)は、5月12日から18日まで開催予定だった世界選手権(イングランド・バーミンガム)の日程を、7月28日開幕に延期したことがある(日程変更の発表は4月30日)。今回のアジア選手権は、アジアのトップ選手が参戦する五輪レース最後の大会ということもあり、ここでの結果が五輪出場枠に大きく影響することが予想される。開催地や日程の変更などについてBWFは“時期尚早”という見解を示したが、感染のリスクやコンディション調整、また選手たちのメンタル面を考えれば、開催地の変更についてBWFの早急な決断が求められるだろう。
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO