12月14日に開催されたBWFワールドツアーファイナルズ(中国・広州)4日目は、決勝トーナメント準決勝が行なわれた。ここでは男子シングルスのダイジェストをお伝えしよう。
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【男子シングルス】
男子シングルスの桃田賢斗(上写真)は、予選リーグで圧勝した王子維(台湾/ワン・ツーウェイ)と再戦。「風の影響があって、最初は少し距離感がつかめなかった」と話した序盤は、慎重だった。連続得点は桃田が多かったが、相手も食らいつく。桃田は、得意なヘアピンをプッシュでねらわれるなど、ネット前の攻防で苦戦する場面もあった。
それでも丁寧にねばり強く相手を前後に揺さぶり続け、最後は相手のミスショットをプッシュで仕留めて21-17で第1ゲーム先取に成功。第2ゲームは6−1と好スタートを切ったが、やはりネット前でのミスが多く、追い上げられた。それでも終盤はスマッシュやプッシュで積極的に攻撃。21-12でしっかり押しきった。
昼の部の試合では、日本勢が3連敗。「(渡辺)勇大たちが勝つと思っていたし、奥原(希望)も予選リーグでは勝っていたので(勝つと思った)。流れがよくないなと思い、何としても勝って流れを(日本に)持ってきたかった」とも話した桃田は、好敵手のアンソニー・S・ギンティン(インドネシア)と決勝で対戦する。
そのギンティン(上写真)は、2−0で開催国の中国が誇るリオ五輪金メダリストの諶龍(中国/チェン・ロン)に勝利。ミドルレンジでの球さばきでラリーを優位に進め、軽やかなステップとキレ味鋭いスマッシュをたたき込んだ。
敗れた諶龍は、五輪レースにおけるポイントを加算できたことを収穫と認める一方で「ベストを尽くしたが、ストレート負けで悔しい。風があり、シャトルが速い場合にどうすべきかをコーチと考えたい。迷ってミスが多くなった」と話し、ギンティンのようなスピードタイプとの対戦方法の課題を持ち帰った。
男子シングルス準決勝の結果は以下の通り。
▼準決勝
桃田賢斗(A1位)②〔21−17、21−12〕0●王子維(台湾/A2位)48分
アンソニー・S・ギンティン(インドネシア/B1位)②〔21−15、21−15〕0●諶龍(中国/B2位) 41分
▼決勝
桃田賢斗 ― アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)
取材・文/平野貴也
写真/BADMINTONPHOTO