日本一を決める「第73回全日本総合選手権」の決勝戦が、12月1日に東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で開催された。ここでは、男子シングルス決勝を争った桃田賢斗VS西本拳太の試合をレポートする。
【男子シングルス決勝】
桃田賢斗(NTT東日本)②〔21-14、21-12〕0●西本拳太(トナミ運輸)
世界選手権2連覇中の桃田賢斗と、同い年のライバルとしてともに世界を転戦する西本拳太。男子シングルス日本一を決める決勝戦は、2年連続で同じ顔合わせとなった。
第1ゲームは静かな立ち上がり。互いにクリアー、カットを中心にラリーを組み立てながら、長いラリーでゲームが始まった。3−4と1点リードされたところで、桃田がスマッシュを突き刺し4−4。素早いフットワークでシャトルの下に入り、安定したフォームからカットとスマッシュを打ち分け、ポイントを奪っていく。180センチの西本は、ダイナミックな動きと力強いショットで対応。競り合いを続けていくが、8−7と西本1点リードのところから、桃田が連続5得点で12−8と逆転。終盤、西本のスマッシュをクロスレシーブで切り返して得点するなど場内を大いにわかせ、桃田が21−14で第1ゲームを奪った。
第2ゲームに入っても、桃田のフットワークとショットは崩れない。対して、西本(上写真)に少しずつ疲れが見えはじめる。重量感あるスマッシュを打ち込んで見せ場を作る一方、クロスカットに足が届かず。奥へと追い込まれてスマッシュを決められ、コートに倒れ込むシーンも見られた。
桃田はラウンドからのショットがなかなか入らず苦しむも、ライン際に切れ込むカット、ネット前にふわりと落ちるドロップ、フェイントを入れたドリブンクリアーなど、点を奪うショットが多彩だった。冷静にラリーを組み立て、8−7から連続6得点。ねばりが身上の西本は、前日の準決勝でファイナルゲーム78分を戦い抜いており、思うように足が動かないのが残念だった。16−12から、桃田が連続5得点で勝利。最後のショットは、センターから西本のフォアサイドへスマッシュ。全日本総合で初の連覇を達成すると、雄叫びをあげて拳を握りしめた。
桃田が次にねらうのは、昨年取れなかったタイトル、ワールドツアーファイナルズ。12月11日から中国で開幕する戦いに、早くも期待が集まる。
決勝戦のコメントはこちら
文/平田美穂
写真/菅原淳