9月22日に開催されたBWFワールドツアー・中国OP(常州/Super1000)最終日は、各種目決勝戦が行なわれた。
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選手コメント
日本からは男子シングルスの桃田賢斗(下写真)、女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀が決勝に進出。最終日の第3試合に登場した桃田は、前回大会でも決勝を争ったアンソニー・S・ギンティン(インドネシア)と激突した。
序盤から接戦となった第1ゲームを先制したのはギンティン。取っては取られのシーソーゲームを21-19でモノにし、2連覇に王手をかける。しかし、世界王者の桃田もここから挽回。第2ゲームを先行して試合を進めると、14オールから5連続ポイントで引き離し21-17でファイナル勝負に持ち込んだ。
最終ゲームも先に主導権を握ったのは桃田。9−3とリードを奪うと、その後もギンティンの追い上げを抑えながら優勝に近づく。19-15とした桃田があと2点で頂点到達だったが、負けられないギンティンも猛追。4連続得点で一気に19オールとし、桃田にプレッシャーをかける。なかなか抜け出せず苦しい状況の桃田だが、1ポイントを奪って先に王手をかけると、そのまま最後のポイントも桃田がつかみ優勝。ライバルの挑戦をしっかりはねのけた桃田が、中国OP初制覇を遂げた。
桃田の優勝後に行なわれた女子ダブルス。前回優勝の髙橋/松友が2連覇をかけて中国の陳清晨(チェン・チンチェン)/賈一凡(ジャ・イーファン/中国)と対戦した。
前日の準決勝では、福島由紀/廣田彩花との大接戦に勝利した髙橋/松友(写真右)。激闘の疲労が残っていたのか、第1ゲームは中盤まで接戦を展開するも、12-13から点差を広げられ14-21で先制を許す。逆転をねらった第2ゲームも中国ペアが先行。髙橋/松友も追走したが、6-8、12-15、14-18となかなか点差が縮まらない。終盤15-20から3連続ポイントで接近したが、追い上げはここまで。最後は18-21で敗れ、髙橋/松友は準優勝に終わった。
女子シングルスでは、キャロリーナ・マリーン(スペイン/写真左)と戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)が激突した。今年1月の大会で右ヒザのじん帯断裂となったマリーン。長期離脱を余儀なくされ、復帰したのは前週のベトナムOP(Super100)。そこでは初戦負けを喫しており、今大会も苦しい戦いが予想された。しかし、1回戦で世界選手権準優勝の奥原希望を下すと、準々決勝で何冰嬌(中国/へ・ビンジャオ)、準決勝では髙橋沙也加を撃破。決勝の相手は女帝・戴資穎との勝負だったが、元世界王者のマリーンが強さを発揮。第1ゲームこそ14-21で失ったマリーンだったが、第2ゲームを17本で奪い返すと、ファイナルゲームも底力を見せる。14-13から5連続得点で突き放し、最後は戴資穎の追走を振り切って21-18で勝利。苦難を経験した五輪女王が、見事な復活劇で優勝をつかみとった。
男子ダブルスは、世界王者のセティアワン/アッサンとギデオン/スカムルヨ(写真左)のインドネシア対決。セティアワン/アッサンは、昨年から後輩ペアに7連敗を喫しており、連敗ストップをねらって勝負に挑むも、ここは世界ランク1位のギデオン/スカムルヨが上手だった。第1ゲームはギデオン/スカムルヨが21-18で先制。第2ゲームはセティアワン/アッサンが奪い返したものの、最終ゲームは16-6と大量リードを作ったギデオン/スカムルヨ。終盤は先輩ペアが意地を見せて点差を縮めてきたが、ギデオン/スカムルヨが振り切って優勝を飾った。
なお、混合ダブルスは中国の2トップが対戦。世界ランク1位の鄭思維(ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン)が、王懿律(ワン・イーリュ)/黄東萍(ファン・ドンピン)をファイナル勝負21-16で破り、地元ファンの前で頂点に立った。
決勝戦の結果は以下の通り。
【男子シングルス】
桃田賢斗②〔19−21、21−17、21−19〕1●アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)90分
【女子シングルス】
キャロリーナ・マリーン(スペイン)②〔14−21、21−17、21−18〕1●戴資穎(台湾)65分
【男子ダブルス】
ギデオン/スカムルヨ(インドネシア)②〔21−18、17−21、21−15〕1●セティアワン/アッサン(インドネシア)42分
【女子ダブルス】
陳清晨/賈一凡(中国)②〔21−14、21−18〕0●髙橋礼華/松友美佐紀40分
【混合ダブルス】
鄭思維/黄雅瓊(中国)②〔21−17、13−21、21−16〕1●王懿律/黄東萍(中国)52分
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO