9月4日に開催された第62回全日本社会人選手権(福岡・福岡市総合体育館、福岡市民体育館)最終日は、各種目の準決勝、決勝戦が行なわれた。ここでは、男女シグルスのダイジェストを紹介しよう。
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【男子シングルス】
準決勝を制したのは日本ユニシスの小野寺裕介と、NTT東日本の古賀穂(みのる/写真)。小野寺はベテランの武下利一(トナミ運輸)を2−0のストレートで退ける。一方の古賀は、同じ社会人1年目の牧野桂大(日立情報通信エンジニアリング)を、第1ゲームこそ23-21の接戦で奪ったが、続く第2ゲームは21-14に抑えて決勝へと勝ち上がった。
その決勝戦は、古賀が小野寺を2−0で抑えてV達成。第1ゲームを21-12で制した古賀は、第2ゲームも21-16で小野寺を振り切り、社会人1年目で国内タイトルをがっちりつかんだ。
古賀穂「社会人1年目で感じたのは、皆さん経験があるので、自分のやりたいことをやらせてくれないということ。(決勝の)相手の小野寺さんには、たぶんこれまで勝ったことがなく、そこに勝てたことで自分の成長を感じます。勝ちが見えたときこそ焦らずに、“まだ終わっていない”と意識してプレーしました。地元・福岡のこんな素晴らしい体育館で勝ててよかったです」
▼準決勝
小野寺裕介(東京)②〔21−16、21−11〕0●武下利一(富山)
古賀穂(東京)②〔23−21、21−14〕0●牧野桂大(神奈川)
▼決勝
古賀穂②〔21−12、21−16〕0●小野寺裕介
【女子シングルス】
前回準優勝の下田菜都美(広島ガス/写真)は、高卒1年目の水井ひらり(NTT東日本)と準決勝で激突。第1ゲームは水井が21-17で先制するも、負けられない下田はデュースとなった第2ゲームの接戦を24-22で奪い返し、ファイナル勝負に持ち込む。どちらも譲らぬ戦いとなったが、最後に底力を発揮したのは下田だった。ねばる水井を21-14と引き離して勝利。2年連続で全日本社会人の決勝に勝ち進んだ。
下田の決勝の相手は、準決勝でV候補の一角とされた齋藤栞(ACT SAIKYO)をファイナル勝負の末に下した山本紗椰(アメリカンベイプ岐阜)。下田と山本の勝負は、第1ゲームから接戦の展開となり20オール。ここから先に抜け出した下田が第1ゲームを24-22で先制すると、流れをつかんで第2ゲームも先行。最後は21-10に抑えた下田が勝利をつかみ、見事社会人女王の座に輝いた。
下田「(水井との準決勝は)第2ゲームであと1点取られたら負け、という場面から取り戻せたのが大きかったです。(5月の)ランキングサーキットで負けている相手ですし、相手は強いと思って、挑戦者の気持ちになれたのが大きかったと思います。トレーニングを積んで、フィジカルに自信を持てているので、これまでなら無理に決めにいったところも、我慢できるようになりました」
▼準決勝
下田菜都美(広島)②〔17−21、24−22、21−14〕1●水井ひらり(東京)
山本紗椰(岐阜)②〔12−21、21−19、21−18〕1●齋藤栞(山口)
▼決勝
下田菜都美②〔24−22、21−10〕0●山本紗椰
取材/楊 順行
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/太田裕史