6月15日に開催された第69回全日本実業団選手権〔埼玉・深谷市総合体育館〕は、男女ともに準々決勝と準決勝が行なわれた。ここでは日本ユニシスと再春館製薬所が決勝進出を果たした女子の模様をダイジェストでお伝えしよう。
女子は、準々決勝から厳しい戦いが続いた。まず、日本ユニシスと北都銀行の試合は、北都銀行の第1ダブルス・松本麻佑/永原和可那が2016年リオ五輪金メダリストの髙橋礼華/松友美佐紀にストレート勝ちして先勝。しかし、ユニシスは北都銀行の勢いを第2ダブルスの星千智/東野有紗が米元小春/田中志穂に勝って断ち切ると、第1、2シングルスで連勝し、3−1としてユニシスが準決勝進出。
また、再春館製薬所はアメリカンベイプ岐阜に対して、志田千陽/松山奈未が福島由紀/廣田彩花をファイナル16本で下すなどして、再春館製薬所が3−1で準決勝へと駒を進めた。その他では、NTT東日本が七十七銀行に3−0で勝ち、ヨネックスは日立化成を3−2で退けて決勝進出を果たした。
準決勝で先に決着がついたのは、再春館製薬所とヨネックスの対戦だった。ダブルス2本を終えて1−1となったこの試合。ヨネックスは第1シングルス・髙橋明日香が、単複を兼ねて疲れの見える山口茜を攻めたてファイナルゲームまで持ち込んだが、ここは山口が意地を見せて19本で勝利。すると、再春館は続く峰歩美も水津優衣に第1ゲームを奪われながら、ファイナル16本で逆転勝ち。3−1で決勝進出を果たした。
日本ユニシス対NTT東日本の準決勝もう一試合は、ダブルス2本で連勝した日本ユニシスに対し、NTTはシングルス2本で奪い返して2−2に。勝負のかかった第3シングルス。本来はダブルスの選手ながら今大会はシングルスに出場していたユニシスの中西貴映が、ベテランの三谷美菜津からファイナルゲーム後半の競り合いを制して19本で勝利。起死回生の勝利でユニシスが8年連続となる決勝の舞台に駒を進めた。
16日の大会最終日は、日本ユニシス対再春館製薬所の決勝戦が行なわれる。
日本ユニシス 平山優監督
「準決勝の第3シングルスで勝った中西は、勝負強い選手なので何かやってくれるのではという期待はありました。明日は、ここまできたら優勝をめざして戦いたい。ただ、それよりもみんながベストパフォーマンスで、そして今日のようにチームワークよく戦いたいと思います」
再春館製薬所 池田雄一監督
「団体戦特有の雰囲気や、相手が向かってきていたので、団体戦ならではの厳しさがありました。チームとしては山口に頼っている部分がありますが、明日の決勝は山口だけではなくて、チーム全員の総力戦で勝ちにいきたいと思います」
▼準々決勝
日本ユニシス(東京)3―1北都銀行(秋田)
NTT東日本(東京)3―0七十七銀行(宮城)
再春館製薬所(熊本)3―1アメリカンベイプ岐阜(岐阜)
ヨネックス(東京)3―2日立化成(茨城)
▼準決勝
日本ユニシス 3―2 NTT東日本
栗原文音/篠谷菜留②〔21-5、12-21、22-20〕1●渡邉あかね/尾﨑沙織
東野有紗/松田蒼②〔21-15、21-7〕0●新玉美郷/川島里羅
海老原詩織●0〔12-21、8-21〕②水井ひらり
髙橋沙也加●0〔18-21、15-21〕②大家夏稀
中西貴映②〔21-11、18-21、21-19〕1●三谷美菜津
再春館製薬所 3―1 ヨネックス
志田千陽/松山奈未②〔21-14、21-18〕0●曽根夏姫/保原彩夏
小野菜保/福本真恵七0〔9-21、14-21〕②櫻本絢子/髙畑祐紀子
山口茜②〔20-22、21-16、21-19〕1●髙橋明日香
峰歩美②〔19-21、21-14、21-16〕1●水津優衣
取材・文/吉井信行
写真/井出秀人