5月22日に開催された世界国別男女混合対抗戦・スディルマンカップ2019(中国・南寧)4日目は、各グループの予選リーグが行なわれた。
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世界バドミントン国別対抗戦2019
スディルマンカップ
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グループAの強敵・タイと対戦した日本。2日前のロシア戦は3−2での勝利と思わぬ苦戦をしいられたが、今回は男子ダブルスに園田啓悟/嘉村健士、男子シングルスに桃田賢斗と、世界ランクで上位選手・ペアを起用した。また、女子ダブルスは「3ペアの成績はみんなよかったが、髙橋/松友がタイペアとの試合が多かった」(朴柱奉監督)ことから、勝率面、経験値などを踏まえて二人を選択。混合ダブルスは、アジア選手権で負傷した東野有紗と渡辺勇大の一番手ペアで勝負に挑んだ。
第1試合に組まれた男子ダブルスでは、先陣を切った園田(写真左)/嘉村がきっちり白星をつかむ。タイが仕掛けてくる低いドライブ展開にも対応し、園田/嘉村は主導権を渡さずにポイントを重ねた。「最初から気持ちでいけたし、最後まで押し切れた」とは園田。第1ゲームを14本に抑えると、続く第2ゲームも連続ポイントなどで突き放して快勝した。「難しい試合になると思ったけど、しっかり準備して戦えたのがよかった」(嘉村)
続く女子シングルスは、今大会初出場となる山口茜。相手は過去1勝2敗の対戦成績だった若手選手だったが、第1ゲームは21-9と一桁台に封じる。このまま第2ゲームも山口ペースかと思われたが「相手が作戦を変えて速い展開にしてきた。自分がそれに付き合ってしまった」と、相手ペースの中で山口のミスが続き、後半は9連続失点。第2ゲームを14-21で落とした。切り替えて臨んだファイナルゲームは相手がリードする展開から後半に追い上げて先に20-17とマッチポイントを握ったが、あと一点が遠い。ここから連続失点で20オールされると、その勢いを最後まで止められず、終盤に逆転負け。1−1で男子シングルスにまわった。
「試合前に茜ちゃんの試合を見たら、苦しい状況だった。自分も覚悟を決めてコートに入らないといけないと思った」とは、世界ランキング1位で、チームの絶対的なポイント源である桃田(上写真)。しかし、序盤はその気持ちが力みにつながり、タイの3番手シングルス相手に14-19とリードを許す。それでも、日本のエースは強かった。「1ゲーム後半は相手が決め急いでいると感じた」と、足を動かして球を拾いながら得点を重ねる。すると、一挙7連続得点で逆転に成功。第2ゲームは最後まで桃田のペースで試合が進み、21-10で勝利をつかんだ。
桃田の勝利で一気に日本が優位に立つと、登場したのが女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀(写真右)。「簡単に勝てる相手ではない」(松友)と二人が警戒した世界ランク9位のジョンコパン/ラウィンダは、髙橋/松友がリードしてもねばり強く追い上げてプレッシャーをかける。それでも、ここで簡単に崩れないのが二人の強さか。2−1で回ってきた場面では「自分たちで(日本の勝利を)決められるという気持ちはありました」と髙橋。守備的な相手を崩しながらポイントをつかみ、第2ゲームは最大7点差あったスコア(15-8)を19-17まで接近されたが、最後はしっかり逃げ切って勝利。これにより日本の勝利が確定した。
最終試合の混合ダブルスでは、渡辺/東野が登場。正規のペアではない相手との勝負になったものの、貫禄のプレーを見せて2−0で締める。タイを4−1で破った日本が、予選リーグ2連勝で1位通過を決めている。
また、夜のセッションではインドネシアとデンマークが激突。デンマークはイングランドに2−3で苦杯を喫して後がない状況だったが、男子シングルスのビクター・アクセルセンや混合ダブルスのクリスチャンセン/トゥーグセンが白星を飾り、接戦の末に3−2で勝利。3チームが1勝1敗で並んだが、マッチ率からインドネシアとデンマークが決勝トーナメントに進出した。
22日の予選リーグの結果は以下の通り。
【グループ1】
▼グループA
日本(2勝)4−1タイ(1勝1敗)
MD園田啓悟/嘉村健士②〔21−14、21−14〕0●キッティヌポン/ニピポン38分
WS山口茜●1〔21−9、14−21、20−22〕②ポンパウィ・チョチュウォン71分
MS桃田賢斗②〔21−19、21−10〕0●シットヒコム・タンマシン50分
WD髙橋礼華/松友美佐紀②〔21−17、21−17〕0●ジョンコパン/ラウィンダ60分
XD渡辺勇大/東野有紗②〔21−11、21−14〕0●デチャポル/サビツリー(タイ)33分
順位/①日本②タイ③ロシア(日本とタイが決勝トーナメント進出)
▼グループB
デンマーク(1勝1敗)3−2インドネシア(1勝1敗)
XDクリスチャンセン/トゥーグセン②〔21−17、21−11〕0●ファイザル/ウィジャジャ48分
MSビクター・アクセルセン②〔21−9、21−16〕0●アンソニー・S・ギンティン44分
MDアストルップ/ラスムセン●0〔20−22、14−21〕②セティアワン/アッサン43分
WSミア・ブリックフェルト②〔21−13、21−19〕0●フィトリアニ42分
WDポリイ/ラハユ②〔21−18、21−13〕0●フォウガード/トゥーグセン49分
順位/①インドネシア②デンマーク③イングランド(インドネシアとデンマークが決勝トーナメント進出)
▼グループC
韓国(2勝)3−2台湾(1勝)
MD催率圭/徐承宰●0〔15−21、13−21〕②王齊麟/李洋40分
WSアン・セヨン②〔14−21、21−18、21−16〕1●戴資穎66分
MS李東根●0〔12−21、17−21〕②周天成55分
WD張藝娜/孔熙容②〔21−13、21−15〕0●張淨惠/楊景惇44 分
XD徐承宰/蔡侑玎②〔21−10、21−18〕0●曾敏豪/謝沛珊37 分
順位/①韓国②台湾③香港(韓国と台湾が決勝トーナメント進出)
▼グループD
中国(2勝)5−0インド(2敗)
XD王懿律/黄東萍②〔21−5、21−11〕0●チョップラ/レッディ28分
MS諶龍②〔21−17、22−20〕0●サミール・バラマ71分
MD韓呈愷/周昊東②〔18−21、21−15、21−17〕1●シェティ/ランキレッディ62分
WS陳雨菲②〔21−12、21−17〕0●サイナ・ネワール33分
WD陳清晨/賈一凡②〔21−12、21−15〕0●ポンナッパ/レッディ34分
順位/①中国②マレーシア③インド(中国とマレーシアが決勝トーナメント進出)
▼準々決勝(5月23日)
中国(D1位) − デンマーク(B2位)
韓国(C1位) − タイ(A2位)
▼準々決勝(5月24日)
インドネシア(B1位) − 台湾(C2位)
日本(A1位) − マレーシア(D2位)
【グループ2】
▼グループA
順位/①フランス②オランダ③ベトナム④アメリカ
▼グループB
カナダ(3勝)3−2ドイツ(2勝1敗)
シンガポール(1勝2敗)4−1イスラエル(3敗)
順位/①カナダ②ドイツ③シンガポール④イスラエル
▼順位決定戦(5月23日)
フランス(A1位) − カナダ(B1位)
オランダ(A2位) − ドイツ(B2位)
ベトナム(A3位) − シンガポール(B3位)
アメリカ(A4位) − イスラエル(B4位)
【グループ3】
▼グループA
ニュージーランド(1勝2敗)4−1ネパール(3敗)
順位/①アイルランド②オーストラリア③ニュージーランド④ネパール
▼グループB
スリランカ(3勝)3−2スイス(2勝1敗)
スロバキア(1勝2敗)4−1リトアニア(3敗)
順位/①スリランカ②スイス③スロバキア④リトアニア
▼順位決定戦(5月24日)
アイルランド(A1位)− スリランカ(B1位)
オーストラリア(A2位)− スイス(B2位)
ニュージーランド(A3位) − スロバキア(B3位)
ネパール(A4位) − リトアニア(B4位)
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳