小学生時代から頭角を現し、全国大会の男子シングルスにおいて“史上初”や“最年少記録”などの偉業を次々と成し遂げる奈良岡功大(浪岡高校2年)。この連載では、そんなスーパー高校生の日常や素顔に迫っていく。連載第17回は、優勝を果たしたラオスインターナショナルシリーズ(2月19日~24日)とジャマイカインターナショナルシリーズ(3月7日~10日)の2大会について振り返ってもらった。また、Q&Aのコーナーでは、読者からのお悩みに答えていただく。
皆さん、こんにちは! 今回はラオスとジャマイカの2大会について振り返りたいと思います。
2月に参戦したラオスは、今年初めての国際大会。一番高い表彰台に立って金メダルをもらえたときは、すごくうれしかったです。
ラオスには初めて行きましたが、最初は暑くて大変でした。気温が30度くらいあるなか、体育館にはエアコンがなくて…。苦しい試合が多かったです。決勝の相手は、日本B代表の古賀穂選手(早稲田大4年/4月からNTT東日本入社)。初対戦でしたし、ここまでの勝ち上がり方が自分よりよかったので、試合前はどうなるかわからなかったです。1ゲーム目は、8-15くらいまでリードされてしまいました。でもそこで、『もっと自分からいこう』と切り替えられたのがよかった。そこから逆転してこのゲームを22‐20で取り、2ゲーム目も競り合いながら22‐20で勝つことができました。最後は純粋に、この試合に勝ちたいという気持ちが強かったです。
2大会目のジャマイカは、監督と2人だけで参加しました。一番大変だったのは、やっぱり移動でしょうか(苦笑)。青森から東京を経由して、ニューヨーク、マイアミで飛行機を乗り継ぎ、ようやく到着…。ユースオリンピックでアルゼンチンに行ったときのほうが移動時間が長かったので、それを経験していたぶん、途中でストレッチなどをしてコンディションを気にしながら移動できました。ジャマイカに到着してホテルからの迎えが来ない…など、ハプニングは多々ありましたが、いい経験になりました。
大会は、ラオス同様、気温30度を超える環境の中での試合でした。結果として、ストレート勝ちで優勝することができましたが、相手は世界ランクが上で格上の選手ばかり。チャレンジャーの気持ちで向かっていけたのがよかったと思います。途中、自分のミスが多い部分もあったんですけど、そこでしっかり切り替えられましたし、「せっかく来たのだから勝たないと」と考えるのではなく、とにかく一戦一戦、自分の力を出そうと集中できた。それが優勝につながったと思います。
この大会に参加した日本選手は自分だけ。ホテルの手配や移動のことなど、監督はとても大変だったと思います。監督のおかげで試合に集中することができたので、感謝しています。
今回の2大会の遠征で、世界ランクを78位まで上げることができました。次に参加する国際大会は、大阪国際(4月3日~7日)とベトナムインターナショナルチャレンジ(4月9日~14日)。こちらも自費参加になりますが、優勝を意識せず、一戦一戦、自分のペースで目標に向かって頑張りたいと思います。
その前に、高校選抜(3月24日~27日/茨城県ひたちなか市)があります。今大会の目標は3冠。団体戦の優勝に向けて、チームの士気が上がってきていると思うので、まずは団体戦で勝って勢いに乗りたいです! ただ、ケガをしないことが一番。そこに気をつけて、いい状態で本番を迎えたいと思っています。
奈良岡功大選手に聞く!
☆なんでもQ&A☆
Q.僕は試合前に「負けたらどうしよう」とか、「今回の相手は嫌だな」などと、余計なことを考えて出だしが悪いことが多くなってしまいます。奈良岡選手も、このような経験はありますか? ある場合、どのように対応しているか教えてください。(高校1年・男子)
A.僕の場合、「負けたらどうしよう」とか、「今回の相手は嫌だな」というふうに思ったことはないです。いつも試合前は、ただ目の前の試合に勝ちたいと思って、相手に勝つことだけを考えています。たとえ、やりづらい相手でも、向かっていくだけ。それで負けたのなら、反省して、また練習する。そうやってうまくなっていくし、自信がついていくのだと思います。
試合前から不安に思うのは、もしかすると、練習で自信をつけられていないからかもしれません。「これだけやったから大丈夫」とか、頑張ってきた練習を思い出せば、不安が消えて、いつも通りのプレーができるはずです。自分の場合は、自分のため、そして、応援してくれる方々のために勝ちたいと思って戦います。でも試合中は、周りとか期待とか、正直、考えていません。相手に勝つことだけに集中すれば、結果もついてくると思います。
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Profile
奈良岡功大◎ならおか・こうだい 2001年6月30日生まれ、青森県出身。浪岡南小-浪岡中。小学時代は全国小学生大会単3連覇、全国ABC大会単5連覇を達成。中学時代は全国中学校大会単3連覇という前人未踏の記録を打ち立てた。同年9月には、高校2年までが出場する全日本ジュニアで最年少V(16年・17年連覇)。高校1年時にはIH準優勝、選抜では優勝を果たした。そのほかにも、全日本総合本戦出場や日本ランキングサーキット単3位、18年は大阪国際準優勝など、国内外のシニアの舞台でも存在感を放つ日本のホープ。174㎝69㎏。血液型B。
構成/バドミントン・マガジン編集部