2018年は、日本にとって大きな飛躍の一年となりました。5月には日本女子が37年ぶりにユーバー杯を制し、世界一を達成。8月の世界選手権では、男子シングルスの桃田賢斗選手、女子ダブルスの松本麻佑/永原和可那ペアが金メダルを獲得しています。そのほか、国際大会を中心に日本勢は数多くのタイトルを手にしており、世界トップの国へと変貌しています。ここでは、成長を続ける日本代表の活躍を中心に、2018年を振り返っていきます。
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桃田、松本&永原が世界一!
勢いが止まらない日本代表は、7月後半から開幕した世界選手権(中国・南京)に出場。2017年の同大会では、女子シングルスの奥原希望が日本選手として40年ぶりに世界女王となり、メダル数も銀2つ、銅1つを加え過去最多の4つを獲得していた。その結果を踏まえ、朴柱奉(パク・ジュボン)監督は「今大会は、前回の成績(メダル数)を超えること。その中に金メダルが2つ」と目標を設定。トマス杯/ユーバー杯や、ワールドツアーの好成績でつかんだ自信を胸に挑むと、好調の日本勢がその期待にしっかり応える。
快挙となったのが、男子シングルスの桃田賢斗(写真右)だ。大会直前に腹筋を痛めるアクシデントに見舞われたが、なんとか序盤の苦しい戦いを乗り切って決勝に進出。地元中国の石宇奇(シー・ユーチー)との対戦は完全アウエーとなったが、積極的に仕掛けた桃田が2−0で勝利をつかみとり、悲願の世界一に。「(2016年に)世界ランク2位になったときよりもバドミントンを楽しめているし、いまの自分のほうが強い」と振り返る桃田が、男子選手として初めて世界選手権の頂点に君臨した。
女子ダブルスでは、ベスト4に3ペアが進出する快挙を演じた。その戦いを抜け出したのが、世界選手権は初出場だった松本麻佑(左)/永原和可那。準決勝ではインドネシアのポリイ/ラハユを下し、決勝では前回大会銀メダルの福島由紀/廣田彩花と激突。前年のリベンジVをめざす福島/廣田に対し、松本/永原がファイナル勝負となった接戦を制して初制覇! 繰り上がりで出場権を得ていた二人が、見事な快進撃で世界一をつかみとった。
この他にも男子ダブルスの園田啓悟/嘉村健士(写真左)が、世界ランク1位のギデオン/スカムルヨ(インドネシア)などを退けて、決勝に進出した。中国ペアに敗れはしたものの、同種目では日本人初の銀メダルを獲得した。女子シングルスでは、山口茜が銅メダル。女子ダブルスの米元小春/田中志穂も、同じく銅メダルを手中におさめた。日本勢は金銀銅それぞれ2つずつ、計6個のメダルを獲得して、再び世界にその強さを知らしめた。
日本女子が48年ぶりのアジア制覇!
世界選手権が終わった2週間後、4年に一度のビッグイベント・アジア大会がインドネシア・ジャカルタで開催された。団体戦と個人戦が連続で行なわれる同大会でも、JAPANの強さは変わらない。女子団体では、ユーバー杯の世界一メンバーが中心となって挑み、決勝で中国を打ち破り48年ぶりのV達成。上位進出が期待された男子も、同じく48年ぶりに団体銅メダルをつかんでいる。
団体戦の後に行なわれた個人戦では、前回大会(2014年/韓国・仁川)銀メダルの髙橋礼華/松友美佐紀(写真右)が、再び決勝に進出する。リオ五輪に続くビッグタイトル獲得まであと一歩と迫ったが、その前に立ちはだかったのが中国の陳清晨(チェン・チンチェン)/賈一凡(ジャ・イーファン)。ライバルとの接戦に惜しくも敗れた髙橋/松友は、再びの準優勝。悔しさは滲ませた二人だったが「4年前の決勝と違って、自分たちのプレーは出せた」(髙橋)と、ペアとしての成長も実感していた。
髙橋/松友のほかにも、日本勢の活躍が目立った。女子ダブルスの福島由紀/廣田彩花が銅メダルを獲得し、女子シングルスの山口茜も、世界選手権に続き銅メダルを手にした。男子シングルスでは、団体戦で悔しい敗戦を喫した西本拳太(写真)が、同種目で48年ぶりの銅メダル。エースの桃田賢斗が3回戦で敗れるなか、団体に続き、個人でのメダルを日本に持ち帰っている。
文/バドミントン・マガジン編集部