バドミントンの年間王者を決めるBWFワールドツアーファイナルズ(中国・広州)が開幕。この大会は、各種目8名・ペアが2つのグループに分かれて予選リーグを戦い、上位2名・ペアが決勝トーナメントに進出。2018年のワールドツアーの頂点を争う。大会2日目は全種目の予選リーグ・第2戦が行なわれた。ここでは日本のダブルス3種目の活躍を紹介しよう。
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予選リーグ:第1戦
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予選リーグ:第2戦
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2組が出場している女子ダブルス。2014年覇者でグループAの髙橋礼華/松友美佐紀(写真右)は、前日の中国対決を制した李茵暉(リ・インフイ)/杜玥(ドゥ・ユェ)にストレート勝ちし、リーグ戦2連勝を飾った。第1ゲームを先制した後の第2ゲーム、髙橋/松友19−15から19オールまで追い上げられる展開に。そこからマッチポイントをつかむと、相手のスマッシュがサイドラインを割って辛くも勝利。地元観衆の悲鳴があがる中で、力強いガッツポーズを見せて勝利を喜んだ。
グループBの松本麻佑(左)/永原和可那は、4度目の挑戦となる韓国ペアとの乱打戦を制した。松本/永原は、ともに170センチを超える長身。どちらも強打を打てるのが持ち味だ。しかし、相手の李紹希(イ・ソヒ)/申昇瓚(シン・ソンチャン)も、ともに170センチ超え。相手の攻撃につかまって3連敗を喫している松本は「同じスタイルの相手はあまりいない」と語り、今回は自分たちの攻撃を押し通すスタイルで挑んだ。
その第1ゲームは、互いに主導権を譲らずクロスゲームに。終盤は18オールから松本のプッシュが決まり、その後も相手のミスが重なりなんとか取りきった。第2ゲームは、韓国ペアのパワフルな攻撃に松本/永原が苦しんだが、それでも、強いレシーブで必死にくらいつくなど、簡単には主導権を渡さずに戦った。
すると、そこでねばり強く戦ったことが、ファイナルゲームに生きた。永原が韓国ペアのスマッシュを3本連続で跳ね返すなど、レシーブからペースをつかみ始める。そのディフェンスに根負けしたのは李紹希/申昇瓚だ。アタックミスが少しずつ増え始め、松本/永原が2、3点のリードを保ちながら試合を進める。終盤はカウンターレシーブからポイントをつかみ、最後は永原のスマッシュが決まり21-17。ファイナル勝負の接戦を制した松本/永原が、2連勝を決めた。
初戦で元世界王者を下した男子ダブルスの遠藤大由/渡辺勇大(左)も2連勝。第1ゲームは今年の世界選手権銅メダルの陳宏麟(チェン・フンリン)/王齊麟(ワン・チーリン/台湾)を相手に、きん差で追いかけ続ける展開。しかし、最後はねばり強さで逆転に成功して先制すると、第2ゲームもシーソーゲームとなった接戦をモノにした。遠藤/渡辺は2連勝で準決勝進出を決めている。
混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗は、中国の王懿律(ワン・イーリュ)/黄東萍(ファン・ドンピン)と対戦。11月の香港OP決勝で破り、対戦成績の連敗を5でストップした相手だが、今回は流れをつかむことができなかった。王懿律/黄東萍のパワーに押し込まれ、12-21、14-21で敗戦。渡辺/東野は初戦に続く敗戦となり、準決勝進出の可能性が消滅。前回の対戦で手ごたえを得ていただけに、渡辺は言葉少なく「相手が強かった」と悔しさを噛み締めていた。
【男子ダブルス】
▼グループB
遠藤大由/渡辺勇大②〔21−19、21−19〕0●陳宏麟/王齊麟(台湾)46分
【女子ダブルス】
▼グループA
髙橋礼華/松友美佐紀②〔21−9、21−19〕0●李茵暉/杜玥(中国)53分
▼グループB
松本麻佑/永原和可那②〔21−18、20−22、21−17〕1●李紹希/申昇瓚(韓国)79分
【混合ダブルス】
王懿律/黄東萍(中国)②〔21−12、21−14〕0●渡辺勇大/東野有紗42分
取材・文/平野貴也
写真/BADMINTONPHOTO