12月12日に開幕するBWFワールドツアーファイナルズ(中国・広州)。大会は各種目8名・ペアが2つのグループに分かれて予選リーグを実施。各リーグの上位2名・ペアが決勝トーナメントに進出し、栄えある優勝を争う。日本からは5種目すべてに出場しており、どの選手・ペアにも優勝の可能性は十分ある。ここでは、1年間の総決算であるWTファイナルズを、日本選手を中心に展望しよう。
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【女子ダブルス】
▼グループA
2014年優勝の髙橋礼華(右)&松友美佐紀は4年ぶりの頂点をねらう。WTランキングで1位に輝いた2人はグループAに入ったが、その対戦ペアはインドネシアのポリイ&ラハユ、中国の陳清晨(チェン・チンチェン)&賈一凡(ジャ・イーファン)、李茵暉(リ・インフイ)&杜玥(ドゥ・ユエ)だ。
初戦で対戦するのはポリイ/ラハユ。1月のインドOP(Super500)、7月のタイOP(Super500)の2大会を制している2人との対戦成績は7勝1敗と髙橋/松友が大きくリード。しかし、ファイナルゲームにもつれた勝負も多く、一筋縄ではいかない相手だ。とくに経験豊富なポリイはスピード感ある攻撃を仕掛け、そこからパワフルなラハユのアタックを導く。試合の途中でラリーのテンポを変えるなど戦略的な面も持ち合わせており、初戦から好ゲームが展開されそうだ。
2016年スーパーシリーズファイナル決勝を争った陳清晨/賈一凡も強敵だ。髙橋/松友は8月のアジア大会決勝で対戦しており、そこでは2人の念願だった金メダルを奪われている。Super500以上の大会では3大会で準優勝の成績を残している中国ペアだが、世界選手権を制し、SS3大会優勝を飾った2017年ほどの勢いはなく、WT後半戦も低迷が続いている。侮れない相手であるのは間違いないが、今季の活躍ぶりでは髙橋/松友が上。2018年をけん引した貫禄で、しっかり勝利をつかみにいきたい。
もう1組の中国ペアは、今大会に繰り上がりでの出場となった若手の李茵暉/杜玥。大きなタイトルこそ獲得していないが、アグレッシブな攻撃でポイントを奪いにくる。9月のダイハツ・ヨネックスジャパンOPで対戦したときは、髙橋/松友がファイナル勝負で敗れただけに、大舞台でしっかり借りを返したい。
髙橋/松友と3ペアの対戦成績は以下の通り。
WTR4位 ポリイ&ラハユ(右):7勝1敗
WTR8位
陳清晨&賈一凡(右):3勝5敗
WTR11位
李茵暉(左)&杜玥:2勝1敗
▼グループB
今年の世界選手権を制した松本麻佑/永原和可那(左)はグループBでタイのジョンコパン/ラウィンダ、韓国の李紹希(イ・ソヒ)/申昇瓚(シン・ソンチャン)、そして姉妹ペアのG・ストエワ/S・ストエワ(ブルガリア)と対戦する。
WTファイナルズ初挑戦の松本/永原だが、今季は世界選手権後にフランスOP(Super750)で優勝を飾り、中国開催の2大会でも準優勝を果たした。ともに高身長からの攻撃に注目が集まるものの、本人たちはこの1年でディフェンス面の成長に自信を持っており、攻守においてライバルたちを圧倒する。その松本/永原にとって強敵となるのは、11月の福州中国OP(Super750)で久々の優勝を飾った李紹希/申昇瓚だろう。今季は低空飛行が続いたが、後半戦で一気に浮上。香港OPでも準優勝の成績を残し、その勢いのまま今大会に臨んでくる。松本/永原は過去3連敗と苦手としている相手をどう攻略するかに注目だ。
タイのジョンコパン/ラウィンダ、ブルガリアのストエワ姉妹は今年急成長を遂げたペアだが、松本/永原はこの2ペアに今季負け知らず。タイペアには2戦2勝、ブルガリアペアには3戦3勝だ。松本/永原にとっては相性がいい対戦相手だけに、ここはしっかり勝って決勝トーナメント進出につなげたい。
松本/永原と3ペアの対戦成績は以下の通り。
WTR7位
ガブリエラ・ストエワ(左)/ステファニー・ストエワ:3勝0敗
WTR6位
李紹希(右)/申昇瓚:0勝3敗
WTR5位
ジョンコパン(左)/ラウィンダ:4勝0敗
■WTファイナルズ過去の日本人優勝者
2014年:髙橋礼華/松友美佐紀
2015年:桃田賢斗、奥原希望
2017年:山口茜、米元小春/田中志穂
※大会名はスーパーシリーズファイナル
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO