12月2日に開催された“日本一”を決める頂上決戦「第72回全日本総合選手権」(東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館)。大会最終日は各種目決勝戦が行なわれた。ここでは女子ダブルスをダイジェストでお伝えしよう。
トーナメント表・結果は こちら
女子ダブルス決勝戦は、2年連続で福島由紀(写真右)/廣田彩花(岐阜トリッキーパンダース)と、髙橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)の世界トップランカー同士の対決。前回は福島/廣田が総合初優勝を飾り、世界で大きく飛躍するきっかけを手にした。2連覇をねらう福島/廣田に対し、髙橋/松友は6度目の日本一をかけて戦った。
試合は最初の一本目から長いラリーでスタートした。福島/廣田は、前衛を得意とする松友をクリアーで下げ、スマッシュを打たれればロングレシーブで押し返す。タカマツ得意の「髙橋=後衛、松友=前衛」の形を封じると、ペースをつかめない髙橋/松友のミスを誘った福島/廣田が、いきなり6-0とリードした。
先制パンチを食らった髙橋/松友は3-6と追いすがるが、その後は連続得点が奪えない。髙橋/松友が9-17と大量リードされたところから、松友のプッシュ、ねらいすましたドライブレシーブなどで15-17と見せ場を作ったが、反撃は及ばず。第1ゲームは髙橋/松友が15-21で落とした。
一方、第1ゲームでは速いローテーションで攻撃のリズムをつかんでいる福島/廣田。第2ゲーム序盤こそ髙橋/松友に6-9とリードを許したが、その後は長いラリーから攻め込み8連続得点。14-9と逆転に成功する。「内容的には苦しい場面があって、点差ほどの差はなかった」と廣田。一瞬の気の緩みが大量失点につながる総合の決勝だけに、安全圏でも福島/廣田は果敢に打ち込み、ラリーを制しては気迫を前面に押し出す。すると、最後まで攻め続けた福島/廣田が21-13で勝利。昨年の初優勝からの連覇を遂げた。
2−0のストレートで終わった決勝だったが、世界ランク1位と2位が見せた世界最高峰のラリーに、会場からは大きな拍手が送られる。フクヒロとタカマツ。ライバルとして、同じ日本代表のメンバーとして、これからも切磋琢磨しながら、世界の頂点をつかみにいく−−。
▼決勝戦
福島由紀/廣田彩花(岐阜トリッキーパンダース)②〔21−15、21−13〕0●髙橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)
※福島/廣田は2連覇達成
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取材・文/平田美穂、バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳