日本の頂点を決める「第72回全日本総合選手権」。大会4日目の30日は、各種目で準々決勝を実施。ここでは、注目選手の試合後のコメントを紹介しよう。
【女子シングルス】
髙橋沙也加(日本ユニシス)
結果:大堀彩(トナミ運輸)に21-18、19-21、21-15で勝利
「代表争いはもちろん、この大会に勝つためには今日が山場。出だし勝負だと思っていました。1ゲームは後半競りましたが、焦ってもしょうがない、どっちが勝つかは結果なので、自分らしく全力を出しきればそれでいいと思えるようになったのは、考え方の成長です。シャトルの飛びがコートによって違うのでコントロールが難しいんですが、第3ゲームは最初からスピードを上げていきました。相手も少し疲れていたみたいですね。ガッツポーズがよく出たのは、なにがなんでも勝ちたいという気持ちが相手より強かったのか、自分の性格が出ましたね(笑)。去年は2回戦負け、ベスト4がひとつの目標だったので本当によかったです」
奥原希望(日本ユニシス)
結果:峰歩美(再春館製薬所)に23-21、21-8で勝利
「この大会は国内最高峰ですが、昨年と一昨年を棄権しているので、その思いをここにぶつけています。峰さんは、私より身長が低い数少ない相手ですし、粘りのスタイルなので、臆することなく果敢に攻めていけました。最近は、攻めもよくなっているんです。1ゲーム目は後ろからの球でも相手にプレッシャー、圧をかけられましたし、2ゲーム目はシャトルが飛ばないので後ろは甘くならないように、また手前はちょっと長めに、と意識しました。この大会は去年、茜ちゃんが優勝し、世界ランキングでもいまは茜ちゃんが上ですが、私も日本のエースとしてオリンピックに向かいたいという気持ちが強い。先輩としてのプライドも持ちたいですし、エースの座を奪いに行くつもりで、このタイトルはなにがなんでもとりたいですね」
山口茜(再春館製薬所)
結果:川上紗恵奈(北都銀行)に21-12、21-15で勝利
「いい感じで力が抜けた試合でした。相手はスピードがあるので、先手を取られると、長いラリーで後手後手に回されて、きつくなります。スタートから先手を取れるよう、1ゲーム目は強い球で相手を後ろに押し、2ゲーム目は飛ぶコートだったので後ろはしっかりコントロールするプランでした。(連覇は、と聞かれ) 重要な位置づけの大会ですが、結果を意識したことはなく、なので連覇もあんまり(笑)。テーマとしては攻撃を我慢すること。対戦相手のレベルが上がるほどレシーブ力も上がるので、チャンスでも決め急がず、次の攻撃でより決まりやすくするための組み立てを意識しています。実戦になるとなかなか難しいんですが……。でも今日は点差を詰められても、こちらは点をほしがらず、まずは(コートの)内側に入れて次のチャンスにつなげるつもりでやりました」
取材・構成/楊順行
写真/菅原淳