日本の頂点を決める「第72回全日本総合選手権」。大会3日目の29日は、各種目で2回戦を実施。ここでは注目選手の試合後のコメントを紹介しよう。
【女子ダブルス】
髙橋礼華(奥)/松友美佐紀(日本ユニシス)
結果:藤井瑞希/垣岩令佳(再春館製薬所)に21-19、21-19で勝利
髙橋「藤井/垣岩ペアがロンドンで銀メダルをとって、次は自分たちの番だと思ってリオでは金メダルがとれたと思っているので、先輩たちがいなかったら、自分たちはここまで強くなれていなかったと思います。本当に感謝していますし、国内でオリンピックのメダリスト対決ができるというのはなかなかないことだと思うので、自分たちにとって幸せな試合でした。先輩たちも、自分たちと同じように高校のときから組んでいるペアなので、今日対戦して、あらためてコンビネーションはいいと感じましたし、相手を見る力というのはさすがだなと。フジカキペアは頭がいいといつも思っていました。見ているところが違う。10月に一緒に練習したときも、自分でも気づかないことを指摘してくれて、自分たちのことをしっかり見てくれているんだなとうれしかったです。試合後は、“先輩たちがいなかったら、ここまで来られていなかった。ありがとうございます”と伝えました」
松友「自分たちが日本代表に入ったときは、(藤井/垣岩には)まったく歯も立たなくて、練習相手にもならないくらい差があったんですけど、いつか先輩たちに追いつきたいという思いがありました。代表に入ってから、ずっと一緒に試合を回ったり、いろんなことを教えてもらって、試合もたくさんしました。ずっと一緒に戦ってきただけに(引退というのは)寂しいですけど、最後の大会で試合ができて、幸せでした。中国のダブルスが強い時期を、一緒に経験してきましたが、(フジカキペアは)いろいろな球を使って、いろんな攻め方や工夫をできるところが強さの中にあったかなと思います」
松本麻佑(左)&永原和可那(北都銀行)
結果:上杉夏美/鈴木成美(明治大2年)に21-9、21-14で勝利
松本「ラリーしていくにつれて自分たちの体も動いてきて、昨日より長いラリーが多かったですけど、自分たちの展開にできたんじゃないかと思います。明日は、自分たちの力を最大限に出して、いいパフォーマンスをしたいです。(この大会でのタイトルへの思いを聞かれ)まだ(最高成績が)ベスト4留まりなので、自分たちの力をもっともっと出していけるように、悔いのない試合にしたいと思います」
永原「今日はシャトルが重いような感じがして、スマッシュが一発で決まらなかったんですけど、そこをなんとか球回しで展開していけて、上からの球で攻撃できたかなと思います。明日は昨年もベスト4決めで当たっている相手(福万/與猶)。そのときは勝つことができましたが、もう一回、自分たちが挑戦する気持ちで、いま持っている力を出せるようにしたいです。(この大会でのタイトルへの思いを聞かれ)昨年は、準々決勝を乗り越えてのベスト4でしたが、その(ベスト4の)壁を越えるのはまたすごく大変だと思うので、まずは明日の一戦で全力を出しきれるようにやっていきたいと思います」
【男子シングルス】
桃田賢斗(NTT東日本)
結果:緑川大輝(埼玉栄高3年)に21-12、21-11で勝利
「昨日で少し緊張がほぐれて、今日はあまり緊張せずにのびのびプレーできたかなと思います。自分はインターハイで3冠を成し遂げられなかったんですけど、彼は成し遂げていて、強いだろうなと。出だしは少し気持ちが引いた部分があったんですけど、負けられない気持ちがありました。点数を抑えて勝つことができて、よかったです。(ゆっくりとラリーをしていたのは?)決めるだけがバドミントンではないので、プレッシャーのかけ方だったり、ミスの誘い方だったり、今日は負けないように考えた結果、ああいうプレーになりました。相手は自分の高校生のときよりもスキルがあってディフェンスも高く、強いと思うので、これからも頑張ってもらいたいです」
取材・構成/田辺由紀子、バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳