8月5日、世界一を決める最高峰の舞台「第24回世界選手権」(中国・南京)の決勝戦が行なわれた。メダル獲得数が過去最高の「6」という数字を残した日本勢。ここでは、決勝後に行なわれた記者会見の松本麻佑/永原和可那、福島由紀/廣田彩花、園田啓悟/嘉村健士のコメントを紹介しよう。
優勝:松本麻佑(右)/永原和可那
永原 今日の試合は持っている力を全部出しきって臨みたいと思っていました。最後のマッチポイントを取られときには、自分たちが開き直ってプレーできたので逆転ができたと思います。(優勝の実感については)自分たちが最後に我慢をして相手がミスしてくれました。自分たちのポイントになったときは実感がなかったけど、初めて勝ってうれし涙を流しました。
いつでもあれば、負けていたり、相手にマッチポイントを取られたときに気持ちの部分で引いてしまうこともあったけど、今回は競った場面でもレシーブで引かなかったので、最後まで強気のプレーができたのが勝因だったかなと思います。初めての世界選手権ということで、やりきって終わりたいという気持ちが大きかった。悔いなく終わりたいという気持ちが、最後の諦めない気持ちになっていたと思うので、そこがよかったかなと思います。
松本(最終ゲームで)相手がマッチポイントを握ったときは、自分たちのプレーを出すだけでした。2人で話してなんとか追いつくことができて、逆にリードしてマッチポイントを握ったときは、1点を取りにいくと力が入ってしまうので、“ここから3点取りにいこう”と話しをして、そこで気持ちを入れ直して戦うことができたので、勝利につなげられたのかなと思います。
(世界一となって)オリンピックに向けての大きな一歩を踏み出せたかなと思います。日本対決がし烈な争いになるので、そこをどう勝ちきるか、というのを自分たちで話し合って頑張っていきたいです。
準優勝:福島由紀(右)/廣田彩花
福島 去年は一生懸命に、ガムシャラにやっての銀メダル。そこから海外大会を1年間回らせてもらいまいた。経験を積ませてもらい、優勝を目標に置いた大会で銀メダル。去年とは違う意味での銀メダルとなりましたが、勝てたチャンスはあったと思うのですごく悔しいです。正直、銀メダルが続いている。どうにかここを超えることをできたら五輪にもつながっていくと思うし、どうやっていいかはまだわからないけど、そこを課題として、取り組んでいけたらと思います。
廣田 昨年は初出場だったので、2人で向かっていく形での準優勝でした。今年はいろんな国、ペアの見方や立場も変わってきている世界選手権だったので、その中で決勝まで勝ち進んでいけたのは、2人の成長だと思います。昨年負けたからこそ、“今年こそは”と思っていたので、やはり悔しい気持ちでいっぱいです。2人としてのレベルアップは確実にできていると思うので、そこは自信にしたい。決勝に進んで負ける試合がたくさんあるので、何が足りないのかを学んで、そこをしっかりみつければ五輪につながると思います。
準優勝:園田啓悟(奥)/嘉村健士
嘉村 正直、悔しいという気持ちはあるんですけど、ここまでやった、という気持ちもあります。世界ランキング1位のペア(ギデオン/スカムルヨ)にも勝ちましたし、自分たちのスタイルが通じるというのもありました。世界選手権という大舞台で自分たちのプレーもできたので、いろんな意味で満足できた大会になったんじゃないかなと思います。
園田 2人で優勝という目標をもって臨みましたが、決勝で負けてしまい、いますごく悔しいです。でも、自分たちの持ち味を全部出せたというのもあったので、その辺ではまた継続していきたい。これからアジア大会もあるので、もっと進化した自分たちを見せていければと思います。
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/北川外志廣