7月27日、大会4日目を迎えたBWFツアー・ヨネックス秋田マスターズ(秋田市・Super100)では各種目準々決勝を実施。ベスト4が出そろった。各種目のダイジェストと選手コメントをお送りする。
【男子シングルス】
ベスト8に勝ち進んだ日本勢の五十嵐優と古賀穂が、直接対決。第1ゲームを五十嵐が18本で先制すると、第2ゲームは19本で古賀が奪う。ファイナルゲームは、1-9とリードを許した古賀がじわじわと追い上げて16オールで並んだが、終盤の競り合いでふたたび五十嵐が抜け出して勝利した。また、元世界ランク2位のヤン・O・ヨルゲンセン(デンマーク)もインドネシア選手を下して、4強入りを果たしている。
【女子シングルス】
日本勢が6人登場したこの種目。第1試合では日本A代表で地元・北都銀行の川上紗恵奈が、漆﨑真子との激闘(20-22、21-19、22-20)の末に敗戦。第1シードの髙橋沙也加は、橋本由衣からファイナル勝利を奪っている。このほか、峰歩美はインドネシア選手にストレート勝ちを収めたが、齋藤栞はタイ選手にファイナル中盤まで競り合ったものの、14本で敗れている。
【男子ダブルス】
ベテランの橋本博且/佐伯祐行は中国ペアをストレートで下し、ベスト4へ。2ゲーム目は終盤に追いつかれながらも、24-22で制した。古賀輝/齋藤太一は台湾ペアと対戦。それぞれ1ゲームを奪って迎えたファイナルゲーム、14‐20でマッチポイントを握られながらねばりを見せた古賀/齋藤が6連続得点で20オールにするも力及ばず、敗戦。日体大ペアの玉手勝輝/山下恭平はタイペアにストレートで敗れている。
【女子ダブルス】
6ペアが登場し、日本勢同士が3試合で対戦した。地元・秋田出身の志田千陽は松山奈未とのペアで、同じ日本B代表で第1シードの福万尚子/與猶くるみを15本、23本で下した。先週のシンガポールOP(Super500)でも優勝するなど、今季好調の櫻本絢子/髙畑祐紀子は、社会人1年目ペアの岩永鈴/水津優にストレート勝ち。このほか、久後あすみ/横山めぐみが加藤美幸/柏原みきとのファイナル勝負を制している。
【混合ダブルス】
日本勢で唯一勝ち残った権藤公平/栗原文音はタイのペアと対戦。1ゲームは中盤までリードしながら逆転で奪われ、苦しい展開になったが、第2ゲームで16オールから抜け出して1-1にすると、ファイナルゲームは一度もリード許さず、13本に抑え込んで勝利した。準決勝ではインドネシアペアと対戦する。
◇選手コメント
髙橋沙也加(橋本由衣に勝利)
連戦の疲れもあってアップから足が動かず、なるべく長いラリーはしたくなかったんですが、相手はレシーブがよく、一発もあればクリアーで逆をつくのがうまい。1ゲームは簡単に取られてしまいました。ですがもう何回も対戦していて、苦しい試合になるのは想定済み。ただ私もシンガポールOPでは準々決勝、準決勝、決勝とすべて逆転で勝ったように、追い込まれても以前みたいに焦ることがなくなったんです。今日も、苦しいところで決め急がず、自分のペースに持ち込めたことが勝因かなと思います。
峰歩美(インドネシア選手に勝利)
天井が高く、空気が流れてやりづらい体育館ですが、そこは相手も条件は一緒。私は去年の実業団で経験していますし、自分のプレーはできました。ただ去年の実業団では、私が負けてチームも北都銀行に敗れている苦い思い出もあります(苦笑)。明日は日本人対決(髙橋沙也加と対戦)ですが、だれが相手でも自分のプレーをしていきます。
佐伯祐行(橋本博且とのペアで、中国ペアに勝ち)
今回の1回戦が強敵(柳延星<ユー・ヨンソン>/タン・ブンヒョン)だったこともあり、大阪国際やランキングサーキットとはプレースタイルを変えているんです。これまでは冷静に相手のスペースを見つけてそこへ打っていましたが、ディフェンスに自信がついてきたこともあり、いまは2人でスピードのあるローテーションを意識しています。国内での国際大会は数少なく、また自分たちの出られる試合も限られているので、明日以降も楽しみたいし、楽しんでもらいたいですね。
権藤公平(栗原文音とのペアで、タイペアに勝利)
栗原さんと組んでばかりのころは、男子ダブルスと同じつもりで思いきりプレーするだけでしたが、コンビとしてはほとんどゼロという状態でした。それが最近は、川前(直樹)コーチの「ミックスでは速い球ばかりじゃなく、ゆるい球もまぜたほうがいい」の助言もあり、少しずつですがよくなってきています。
取材/楊順行
文/バドミントン・マガジン編集部