5月25日にタイ・バンコクで開催された「トマス杯・ユーバー杯2018」6日目は、ユーバー杯・決勝トーナメント準決勝の日本VS韓国が行なわれた。
前回大会は準決勝で韓国に敗れ、銅メダルに終わった日本女子。今回も準決勝で再び韓国と激突。2014年準優勝以来の決勝進出に向けて強敵に挑んだ。
エース対決となる第1シングルスは、山口茜と成池鉉(スン・ジヒュン)が対峙。昨年は2度対戦し、どちらも勝利をおさめていたのが山口だ。第1ゲームは「最近の試合では自分が勝っているイメージがあるので、あんまり考えすぎずにいつも通りやればチャンスがあると思った」という山口が、序盤からリードを奪う。風にうまく対応できない成池鉉のミスも重なり、山口が21-10で先制した。
第2ゲームは、序盤こそ相手に押し込まれ3-7とリードを許した山口だったが、すぐに対応。「中盤に離されずにしっかりついていけたのがよかった」と、相手を左右に揺さぶりながら、効果的にスマッシュを打ち込み15-11と逆転。山口がそのままリードを広げて21-13で快勝した。
勝利のバトンを受け取った第1ダブルスは、福島由紀/廣田彩花。相手はペアを組み替えて挑む申昇瓚(シン・スンチャン)/金昭英(キム・ソヨン)だったが、パワーで押し込む韓国ペアに苦戦をしいられる。第1ゲームを19-21で落とすと、第2ゲームも劣勢のラリーが続き17-21。「申昇瓚のスマッシュが重くて速いので、金昭英を後ろにして自分たちの形を作りたかったけど、ロングレシーブが甘くなり、そこから攻められることが多くなってしまった」(廣田)
1−1の状況となった日本だが、ここから登場するのが2017年世界選手権優勝の奥原希望、そして2016年リオ五輪金メダリストの髙橋礼華/松友美佐紀だ。第2シングルスの奥原は、直近の日韓戦で敗れている李張美(イ・ジャンミ)と対戦すると、第1ゲーム21-9で圧倒。第2ゲームは相手に6-10とリードを許した奥原だったが、「相手のペースになりそうでしたが、しっかり我慢できた」と9連続ポイントなどで逆転に成功。21-15で勝利をもぎとり、日本が2−1で決勝進出へ大きく前進する。
そして登場したのが、第2ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀だ。相手は昨年の世界ジュニア優勝の若手、ベク・ハナ/イ・ユリムだったが、第1ゲームは21-11で髙橋/松友が寄せつけずに先制。しかし、第2ゲームは強打でどんどん攻め抜く若手ペアに押し込まれ、17-21で落としてしまう。「(韓国が)1−2で負けている場面で、普通なら引いてしまうのに、むしろ調子がよさそうだった。こちらの球をとっていたので、乗っているなと感じた」(髙橋礼)
それでも、ここできっちり立て直すのが経験豊富な五輪王者の底力だろう。ファイナルゲームに入ると、レシーブからポイントを重ねて15-5。途中、韓国も追走し6連続得点などでスコアを縮めたが、最後は髙橋/松友が引き離して勝負あり。日本が3−1で韓国を下し、2大会ぶりの決勝進出を決めた。
日本は決勝戦で中国を破った地元タイと対戦する。
◆ユーバー杯・準々決勝
WS1 山口茜②〔21−10、21−13〕0●成池鉉41分
WD1 福島由紀/廣田彩花●0〔19−21、15−21〕②申昇瓚/金昭英48分
WS2 奥原希望②〔21−9、21−15〕0●李張美44分
WD2 髙橋礼華/松友美佐紀②〔21−11、17−21、21−14〕1●ベク・ハナ/イ・ユリム78分
ユーバー杯:バドミントン世界一の国・地域を決める団体戦として最も権威ある大会。全英OP優勝13回を誇るベディー・ユーバー女史がトロフィーを寄贈し、大会名にその名がつけられた。トマス杯の開催から8年後にユ杯が開催。1982年まではト杯と交互の開催だったが、84年から男女同時開催となった。
試合形式:2ダブルス(複)、3シングルス(単)で、世界ランキングの高い順に試合が行なわれる。試合の種目順はオーダーによって変わる(種目順の例:第1単→第1複→第2単→第2複→第3単)。予選リーグは5試合すべてを行ない、決勝トーナメント・準々決勝以降は先に3試合を制した国・地域が勝利。単複兼ねて出場することができる。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳