世界の中でも常に躍進を続けている日本。2017年も日本代表選手を中心に、数多くの栄光を手にしています。今回は年末特別企画として、2017年の日本代表の活躍や主な出来事を、数回に分けて振り返ります。第3回は3、4月のスーパーシリーズ3連戦にスポットを当てて紹介します。
女子ダブルス2週連続V
3〜4月に開催されたSS第2戦インドOP。ここでも日本選手が上位に勝ち進んだ。女子シングルスの山口茜が全英OPに続くベスト4。女子ダブルスは、米元小春/田中志穂、福島由紀/廣田彩花、福万尚子/與猶くるみの3組が準決勝に進出し、韓国ペアを下した米元/田中と、福島/廣田を破った福万/與猶が決勝に勝ち進んだ。
勝てばどちらもSS初優勝となる一戦を制したのは、米元/田中だった。決勝はファイナルゲームにもつれる接戦となったが、最後は米元/田中が押し切って初Vを達成する。日本選手による同種目のSS優勝は、末綱聡子/前田美順、髙橋礼華/松友美佐紀に続く3組目。「準決勝・決勝とファイナル勝負になったなかで、相手が崩れるまで我慢できたところと、思いきって攻めていけた」と米元は勝因を語り、初優勝を喜んだ。
日本の快進撃はまだまだ続く。インドOPの翌週に行なわれたSSプレミア(第3戦)のマレーシアOPでは、3種目で準決勝に進出。女子シングルスは奥原希望、男子ダブルスでは園田啓悟/嘉村健士、女子ダブルスは髙橋礼華/松友美佐紀と福島由紀/廣田彩花が勝ち上がった。
その中で優勝を手にしたのは福島/廣田だ。3月の全英OP2回戦で破った髙橋/松友との準決勝を制し、勢いそのままに臨んだ決勝も中国ペアを退けて初制覇。福島は「初めて出た大会で優勝できたというのは素直にうれしいです。インドOPで米元/田中ペアが優勝したのを間近で見ていて、『絶対に自分たちにもできる』『いつか絶対に優勝したい』と強く思いました」と振り返っており、ライバルたちの活躍が相乗効果を生み、JAPANの2連続優勝につなげることになった。
また、SS3週連続開催の最後の大会となった第4戦シンガポールOPでは、マレーシアOP4強に終わった髙橋/松友が決勝に進出。デンマークのリターユール/ペデルセンにファイナル勝負の末に敗れたが、優勝した2ペアに続く好成績をおさめ、女子ダブルスの第一人者の意地をしっかり示した。
髙橋は「シンガポールOPでは攻撃の調子が上がらず、とくに決勝は自分のいいところがまったく出せなかった。でも、久しぶりに(世界ランク)1~4位のペアが勝ち残った準決勝だったのですごくワクワクしましたし、やはりみんな強いなと思いました」と話し、松友も「今年は、いままでできていないことをできるように進化したいと常に考えていました。そのなかで(シンガポールOPの)準決勝、決勝まで勝ち進み、自分がやっていかないといけないことがさらに明確になりました。引き続き、できていないことをできるようにやっていきたい」と振り返っている。
<第3回終わり>
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/北川外志廣、BADMINTONPHOTO