情熱の国から初の世界ランク1位! SS上半期ハイライト(女子単) 

年間12大会で行なわれるバドミントンの世界最高峰トーナメント・スーパーシリーズ(SS)。2015年3月の全英OPから開幕し、6月のインドネシアOPをもって半分の第6戦が終了した。

 

前回の男子シングルスに引き続き、ここではスーパーシリーズ上半期の女子シングルスについてハイライトを紹介しよう。

 

初の世界ランク1位に輝いたキャロリーナ・マリーン
初の世界ランク1位に輝いたキャロリーナ・マリーン

今年のSS戦線で強さを発揮しているのが、14年世界選手権優勝のキャロリーナ・マリーン(スペイン)。21歳の若き女王は全英、マレーシア、オーストラリアの3大会を制しており、世界ランキングも初めて1位(6月11日付)に躍り出た。マレーシアOPでは王適嫻、李雪芮(中国)を、オーストラリアOPでは王儀涵(中国)を倒すなど、中国の牙城をしっかり崩しての頂点到達。昨年8月の世界選手権以降も安定した戦いぶりを見せており、今後もトーナメントの軸として活躍しそうだ。

 

巻き返しを図る李雪芮
巻き返しを図る李雪芮

これまで最強の名を欲しいままにしてきた中国は、他国の勢いにやや押されている印象だ。エースの李雪芮はマリーンに世界ランクトップを明け渡すなど、以前のように中国選手が世界ランク上位を独占することができなくなっている。李雪芮もマレーシアOP&アジア選手権2位の成績を残しているものの、インドネシアOPでは山口茜に2回戦で敗れるなど、昨年ほどの爆発力は見受けられない。もちろん元の実力が抜けていることに変わりはないが、今年の世界選手権(インドネシア・ジャカルタ)に向けての調整は必要だろう。

 

その一方で、元気一杯なのが王儀涵王適嫻の2人。ともに今年のSS優勝はないが、それぞれ4強に2、3回入るなどコンスタントに上位をキープしている。どちらもベテランの域に達しているが、五輪レースを戦ううえで重要となる「経験」を生かして、これからも上位に食い込んでくるはずだ。

また、若手では孫瑜(中国)が今年のシンガポールOP(SS)、スイスOP(GPG)を制しており、中国4番手ながらリオ五輪もねらえる位置にいる。高い身長からの攻撃を武器に、リオ五輪だけではなく、その先の東京五輪を見すえてこれからのトーナメントを戦っていくことだろう。

 

 

サイナ・ネワール(左)と成池鉉
サイナ・ネワール(左)と成池鉉

マリーンや中国選手以外にも、女子シングルスは各国のエースの活躍が目立っている。インドの至宝サイナ・ネワールは全英OPで準優勝のほか、マレーシアOPでも3位入賞。台湾の戴資穎もSS常連だ。韓国は成池鉉裵延姝のWエースがオーストラリアOPでともに4強に入るなど、存在感を出している。

また、復調の気配がうかがえるのが13年世界選手権優勝のラトチャノック・インタノン(タイ)。4月には強豪集うアジア選手権、そして6月のインドネシアOPで優勝を果たすなど、調子を上げてきている。勝ちきれない日々が続いていたが、2回の優勝を飛躍につなげていきたいところだ。

 

 

世界ランク10位の奥原希望
世界ランク10位の奥原希望

日本も負けてはいない。橋本由衣がインドネシアOP準優勝の好成績を残しているほか、奥原希望山口茜がともに世界ランクトップ10入りを果たした。山口は前述した通り、李雪芮から金星を奪うなど着実に実力をつけている。奥原もスディルマン杯に出場したことでいままで以上に自信を深めており、豊富なタレントが揃う女子シングルスを牽引している。日本は世界ランク25位以内に5人の名前が挙がっており、層の厚さでは中国と並んでトップだ。五輪レースではライバルとなるが、お互いに切磋琢磨して世界の上位をねらっていく。

 

スーパシリーズ上半期上位入賞者
スーパシリーズ上半期上位入賞者

 

■選手名

李雪芮(リ・シュェルイ) 王適嫻(ワン・シーシャン)

王儀涵(ワン・イーハン) 孫 瑜(スン・ユ)

成池鉉(スン・ジヒュン) 裵延姝(ベ・ヨンジュ)

戴資穎(タイ・ツーイン)

 

 

投稿日:2015/06/13

人気記事ランキング

閉じる