本日3月11日は、ヨネックス全英OP(SSP・バーミンガム)の準決勝が行なわれる。伝統の舞台で決勝に上がるのは一体誰か!? ここでは男子シングルス、女子シングルスの展望を紹介しよう!
なお、全英OP準決勝は現地時間12時(日本時間21時)に開始予定。第1試合は、女子シングルスの山口茜VSラチャノック・インタノン(タイ)が予定されている。
【男子シングルス】
▼準決勝の対戦カード
周天成(台湾/写真左)− リー・チョンウェイ(マレーシア)
男子シングルス準決勝には、バドミントン界のレジェンド・林丹とリー・チョンウェイの2人が勝ち上がっている。チョンウェイは2月上旬、練習中にケガを負うアクシデントがあり、一時期は全英出場も危ぶまれていた。しかし、周囲の心配をよそに、しっかり調整して今回の戦いに臨むと、初戦から2−0のストレートで連勝。準々決勝では中国の田厚威を12本、15本で破り、ケガの影響を微塵も感じさせない戦いぶりだった。準決勝は台湾のエース周天成と対戦するが、BWF(世界バドミントン連盟)発表の対戦成績では、チョンウェイが5戦5勝で一度も負けたことはない。チョンウェイ有利の状況は、あまり変わりないだろう。
林丹(中国/写真左) − 石宇奇(中国)
前回王者で、7度目の全英タイトルをねらう林丹。先週のドイツOPでは、リオ五輪以来の国際大会出場となったが(3回戦敗退)、大舞台に仕上げてくるあたりはさすがの一言。準々決勝ではビクター・アクセルセン(デンマーク)をファイナルゲーム15本に抑えるなど、まだまだ衰えを感じさせない。準決勝は同じ中国の後輩・石宇奇と対戦。石宇奇は2回戦で香港の若きエース伍家朗を下すと、準々決勝でも日本の坂井一将を圧倒した。林丹と石宇奇は国際大会で初の顔合わせとなるが、ここまでくると、オリンピック以来となる林丹とチョンウェイの対決を観たいというのが、ファンの正直な気持ちだろう。
【女子シングルス】
山口茜(写真左) − ラチャノック・インタノン(タイ)
今回のベスト4には、世界ランクトップ10に入る選手たちが勝ち上がってきた。注目は全英初の4強入りを決めた山口だ。先週のドイツOPでは優勝を飾り(決勝は相手のキケン)、全英でも準々決勝で強敵の孫瑜(中国)に競り勝った。本日対戦する相手は、リオ五輪決勝トーナメント1回戦で山口が破ったラチャノック・インタノン(タイ)。13年世界選手権優勝やSS3大会連続優勝など、実力的には山口と同等かそれ以上。準々決勝ではキャロリーナ・マリーン(スペイン)との世界女王対決を制して、勢いにものっている。鋭いカットが武器となる相手に、山口は持ち味のねばり強さで白星をつかみたい。
戴資穎(台湾/写真右) − 成池鉉(韓国)
もう一つの準決勝は、戴資穎(台湾)と成池鉉(韓国)が激突する。現在世界ランク1位の戴資穎は、昨年末のSSファイナルを制覇して以来の出場となったが、2回戦で三谷美菜津をストレートで破ると、準々決勝ではリオ五輪銀メダリストのシンデュ・P.V.(インド)を14本、10本で撃破。強靭なフィジカルと、グイグイ押し込むパワフルなラリーで勝利をねらう。対する韓国のエースも、香港のベテラン選手、ケガから復帰したサイナ・ネワール(インド)らを退けて勝ち上がった。高い身長から放つ切れ味鋭いショットが戴資穎をどこまで苦しめるか。全英はシャトルが「飛ばない」とよく言われるが、ストローク勝負になると戴資穎がやや優勢か。