現地8月18日に行なわれたリオ五輪・バドミントン競技8日目は女子シングルス準決勝、女子ダブルス決勝などが行なわれた。女子シングルス準決勝では、奥原希望がシンデュ・P.V.(インド)と決勝進出を争った。
1ゲームの立ち上がりはシンデュ・P.V.のペース。攻撃では身長179センチから繰り出す角度あるオーバーヘッド、守備でも長い手足を生かしたレシーブやネットまわりの技術を軸に、奥原にリードを許さない。
奥原も6-11で折り返したあと、少しずつシャトルを回して相手を動かし、得意のストローク勝負から活路を見出そうとする。フォアからのクロスカットが要所で効き、じわじわと追い上げたが、1点差まで詰めるのが精いっぱい。最後は、ラウンドからのスマッシュがネットにつかまり、19本でこのゲームを失った。
是が非でもファイナルゲームに持ち込みたい奥原は、2ゲーム目の立ち上がりからギアを上げ、5-3、7-5、9-8と先手を奪う。だが、奥原のねばり強さを考えると、このゲームで決着をつけたかったシンデュ・P.V.は、さらにスピードを上げて躍動。10-10に追いつくと、高さを生かした早いタッチの攻撃にもさらに磨きがかかり、以降は怒涛の11連続ポイントで押しきった。
▼女子シングルス 準決勝
シンデュ・P.V.(インド)②〔21-19、21−10〕0●奥原希望
◇試合後のコメント
奥原「ねばりが自分の持ち味だったんですけど、最後相手の強打がプレッシャーになって、思うように自分の球回しができなかったです。(足にテーピングを巻いていたが、痛みはなかったか?の問いに)大丈夫です。勝っても負けても、ラスト1試合なので、自分のプレーを、力を全部出しきりたいです」
試合後、涙をにじませながら取材に対応した奥原。翌日に控える3位決定戦へと気持ちを切り替えていたが、その数時間に吉報が訪れた。3位決定戦の相手である李雪芮(中国)が準々決勝で負ったケガによりキケンすることが発表され、銅メダルの獲得が確定した。
シングルスでは公式競技になって以降、男女通じて初のメダルとなる(注:1972年ミュンヘン大会の公開競技で中山紀子さんが金メダル、88年ソウル大会のエキシビション競技で芝(旧姓・北田)スミ子氏さんが銅メダルを獲得)。また、日本が一大会で複数のメダルを獲得することも初めてのこと。日本バドミントンに、また新たな歴史が刻まれる。