4月13日に開催されたアジア選手権(中国・寧波)最終日は、各種目決勝戦が行なわれた。日本勢は、女子ダブルスの志田千陽/松山奈未と混合ダブルスの緑川大輝/齋藤夏が初優勝をかけて、アジアのライバルたちの戦いに挑んだ。
最終日の第1試合に組まれた混合ダブルス。アジアの頂点をねらう緑川(上写真・手前)/齋藤は、香港のベテランペア、鄧俊文(タン・チュンマン)/謝影雪(ツェ・イエンスエット)と激突した。
昨年の中国OP(Super1000)で初対戦した時は、緑川/齋藤が勝利を飾ったが、久々の対戦となった第1ゲームは、香港ペアが先制。中盤に広げたリードを守り、21−15で奪って王手をかける。簡単には負けられない緑川/齋藤は、第2ゲームで逆襲。スピードを生かした攻撃で4連続得点などを手にし、14−7。その後は相手の追走を振り切り、21−17で取り返した。
勝負の行方はファイナルゲームに持ち込まれると、一気に抜け出したのは鄧俊文/謝影雪。6−4から8連続ポイントをつかむと、その後も日本ペアの攻撃をしのぐ。緑川/齋藤も積極的にネット前をねらって主導権をつかみにいったが、離れた点差を詰められず。最後は13−21で敗れた緑川/齋藤。初のアジア王者には届かず、準優勝に終わった。
第3試合に登場したのは、女子ダブルス決勝に挑む志田/松山(上写真・左)。3月の全英OP(Super1000)で優勝を飾り、今大会も安定した守備と出足の鋭い攻撃で連勝。同大会の初優勝に、あと一歩と迫った。
頂上決戦の相手は、中国の譚寧(タン・ニン)/劉聖書(リュウ・シァンシュ)。ライバルとの対決は、第1ゲームから激しい攻防を見せる。相手を揺さぶりながらチャンスを探る日本ペアに対し、強烈なスマッシュを軸に猛攻を仕掛ける中国ペア。前半は、互いにポイントを奪い合い点差は離れず。しかし、後半は志田/松山の守備のほころびを見逃さなかった譚寧/劉聖書が、先に抜け出し21−15で先制した。
第2ゲームに入ってからも、スピードを緩めず激しいラリーの応酬を繰り広げた両ペア。譚寧/劉聖書が先行しながら試合を進め、中盤13−8とリードを奪ったが、ここから志田/松山がしぶとくポイントを取り返す。少しずつ点差は縮まり、14−16と2点差。さらには長いラリーを制しながら、17−18と1点差に。しかし、次のサービスで、松山がサービスミス。相手にポイントを献上すると、流れは中国ペアへ。志田/松山もねばり強く戦ったが、最後は中国ペアの鋭いリターンを沈められ19−21。接戦の末に敗れた志田/松山は優勝に届かず、準優勝で大会を終えた。
中国対決となった女子シングルスは、後輩の韓悦(ハン・ユェ)をファイナルゲーム9本で退けた陳雨菲(チェン・ユー・フェイ/上写真)が、同大会初制覇。男子ダブルスは、2022年世界選手権王者のアーロン・チア/ソー・ウィーイク(マレーシア)が、中国の陳柏陽(チェン・ボーヤン)/劉毅(リュウ・イー)を2−0のストレートで下し、アジア王者の称号を獲得した。男子シングルスは、クンラビット・ビティサラン(タイ)が、陸光祖(ルゥ・グァンズ/中国)の途中キケンにより優勝を手にしている。
4月13日の結果は以下の通り。
【男子シングルス】
クンラビット・ビティサラン(タイ)②〔21−12、11−6、キケン〕0●陸光祖(中国)42分

【女子シングルス】
陳雨菲(中国)②〔11−21、21−14、21−9〕1●韓悦(中国)66分
【男子ダブルス】
A・チア/ソーWY(マレーシア)②〔21−19、21−17〕0●陳柏陽/劉毅(中国)47分

【女子ダブルス】
譚寧/劉聖書(中国)②〔21−15、21−19〕0●志田千陽/松山奈未62分

【混合ダブルス】
鄧俊文/謝影雪(香港)②〔21−15、17−21、21−13〕1●緑川大輝/齋藤夏61分

文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO
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