2月22日、国内最高峰リーグの頂点を決めるS/Jリーグ2024 TOP4トーナメント(神奈川・横浜BUNTAI)が開催された。ここでは、女子のTOP4決勝戦をレポートする。
【女子】
今季のリーグ女王が決まる決勝戦。前回優勝のBIPROGYを下して決勝へと勝ち上がったヨネックスと、2年ぶりのV奪還をねらう再春館製薬所が激突。両チームはJブロックリーグでも対戦しており、この時は再春館製薬所が2−1でヨネックスを下している。
決勝が始まると、先制したのは再春館。準決勝と同じく、エースの志田千陽(上写真・手前)/松山奈未を第1ダブルスに起用。これに対し、ヨネックスは準決勝で殊勲の白星を手にした櫻本絢子/保原彩夏を第2ダブルスに配し、第1ダブルスには若手の関野里真/須藤海妃をぶつける。
志田/松山と関野/須藤の勝負は、志田/松山が貫禄を見せ、第1ゲーム先制。堅いディフェンスからヨネックスペアを左右に揺さぶり、着実にポイントを積み重ねて21−11。第2ゲームも、主導権を渡さなかった志田/松山が先行。最後は11本に抑えて勝利を飾った。
「今日もエースダブルスを任せてもらって、自分たちの役割を果たすことができました。パフォーマンスもすごくよかった」と志田。松山は「ブロックリーグで一度負けている相手だったので(ペアは廣上瑠依、対戦相手は保原彩夏/関野)、自分自身はリベンジしたい気持ちでした。今回は正規のパートナーで戦えたので自信を持って戦えたし、シダマツらしいプレーができたと思います」と快勝を振り返っている。
大きなポイントを手にした再春館。シングルスは前日の準決勝で白星を手にした郡司莉子と、同じくBIPROGY戦で激闘を制した髙橋明日香(上写真)がコートに立つ。第1ゲームを先制したのは郡司。序盤は髙橋が8-2、17-12とリードを保って試合を進めたが、後半に郡司がねばり強さを発揮。5連続得点などで17オールに持ち込むと、その後も連続ポイントを手にして21−19で制した。
第2ゲームに入ると、負けられない髙橋が奮起。17-12から20-18まで迫られるも、なんとか踏ん張って第2ゲームを奪い返す。勝負の行方はファイナルゲームに持ち越されると、互いに主導権を譲らずシーソーゲームを展開。すると、先に抜け出したのは郡司(上写真)。「競った場面になって、簡単なミスが多くなってしまった」という髙橋に対し、郡司は「最後は足が動かず、手だけで入れることが多かったけど、相手もきつそうだった。お互い足が動いていないなかで、最後に(自分のほうが)コートに入れ続けることができた」と、長いラリーになっても我慢強さを発揮。1点を積み重ね、20-14で優勝に王手をかけると、最後は郡司がクロスカットを沈めて勝利。再春館製薬所がヨネックスを2-0で制し、2022年以来のリーグV達成。通算5回目(ルネサス時代も含む)のリーグ制覇を成し遂げた。
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再春館製薬所・池田雄一監督
「今回のシングルスは山口茜ではなく、郡司を使いました。今日の内容という意味では2-0で勝ってほしいし、そうしないと世界では勝てない。我々は普段から山口を見ているので、そこは少し物足りなさはありました。ただ、チームの期待の面ではしっかり応えてくれたので、そこは満足しています。今季は、リーグを通して若手を多く起用したので、そこに応えてくれた部分もあってよかった。でも、まだまだ負けている試合もあるので、そこがしっかり勝つようになれば、もっと強力なチームになるのかなと思います」
▼決勝戦(2月22日)
再春館製薬所 2−0 ヨネックス
志田千陽/松山奈未②〔21−11、21−11〕0●関野里真/須藤海妃
郡司莉子②〔21−19、19−21、21−14〕1●髙橋明日香
金廣美希/木山琉聖(試合なし)櫻本絢子/保原彩夏
優勝:再春館製薬所
準優勝:ヨネックス
3位:岐阜Bluvic
3位:BIPROGY
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人
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