2月21日、国内最高峰リーグの頂点を決めるS/Jリーグ2024 TOP4トーナメント&残留決定戦(神奈川・横浜BUNTAI)が開催された。ここでは、女子のTOP4準決勝をレポートする。
【女子】
決勝への切符をかけた準決勝は、Jブロック1位の再春館製薬所とSブロック2位の岐阜Bluvicが対戦。第1ダブルスに志田千陽/松山奈未(上写真・手前)を起用した再春館に対し、岐阜Bluvicは若手の清瀬璃子/原菜那子をぶつけ、第2ダブルスに福島由紀/川添麻依子を起用。第1ダブルスはエースの志田/松山が貫禄を見せ、14本、12本で勝利。再春館が先制する。
シングルスは、再春館が今季の日本代表に復帰した郡司莉子を起用し、岐阜Bluvicは主将の古川佳奈で勝負。岐阜Bluvicとしては、古川が勝って第2ダブルスでの逆転勝利をねらったが、第1ゲームは郡司が7-10から8連続ポイントなどで先制する。「相手に後ろに下げられる展開が続いて苦しかったけど、そこで自分のほうが我慢できた」と郡司。第2ゲームは、前半に古川がペースを握り14-8と6点リード。しかし、再び郡司が点差を詰めて、17オールに。「足が少し止まってしまったけど、もう一回我慢しようと思えた」という郡司が、終盤の競り合いを抜け出し22-20で勝利。再春館が2-0で岐阜Bluvicを下し、決勝への切符をつかんだ。
再春館と岐阜Bluvicの勝負が決着するなか、BIPROGYとヨネックスの第1ダブルスは大激戦。BIPROGYは中西貴映/岩永鈴が第1ゲームを先取するも、第2ゲームは櫻本絢子/保原彩夏(上写真・手前)が21−15で取り返し、勝負の行方はファイナルゲームへ。
その最終ゲームは、前半から主導権をつかんだ中西/岩永が8−3、16-12とリードして試合を進めたが、負けられない櫻本/保原も意地を見せる。後半にじわじわと点差を詰めて、17オールに持ち込んだ。
終盤に入ると、疲労が蓄積される中で点の取り合いとなったが、最後は23オールから櫻本/保原が攻撃を仕掛けて2連取。ヨネックスが貴重な先制ポイントをつかみ、シングルスへとつなげる。「TOP4でチームが勝つには、第1ダブルスとシングルスで取りきることを意識して練習してきた。自分たちが落としてはいけないというプレッシャーがある中で、勝てたことはすごくうれしいです」(保原)
シングルスは、髙橋明日香(上写真)を起用したヨネックスに対し、BIPROGYは内定選手の砂川温香(柳井商工高)でポイントをねらう。すると、その砂川が第1ゲーム序盤に7-1とリード。軽快なフットワークでペースをつかみ、髙橋にプレッシャーをかける。苦しい立ち上がりとなった髙橋だったが、「第1ダブルスが苦しい状況でも勝ちきってくれた。それを目の前で見てたので、次は自分が勝って決勝に行きたい気持ちが強かった」と、要所で鋭いスマッシュを沈めながら得点を重ねる。7連続得点などで迫った髙橋が、第1ゲームは24-22で逆転に成功する。
第2ゲームは、負けられない砂川(上写真)がねばり強く戦い、8-9からスピードを上げて15-10。さらに強気に攻め込み、21-14で取り返す。ファイナルゲームに入り、どちらに勝敗が転んでもおかしくない状況となったが、「やるしかないと気持ちを切り替えられた」とは髙橋。序盤から8連続得点を奪って12-4とリードをつかむ。砂川も諦めずに13-15と2点差まで迫ったが、追い上げはここまで。終盤は流れをつかんだ髙橋がポイントを重ね、21-14で勝利。ヨネックスが2-0で前回優勝のBIPROGYを破り、決勝進出を決めた。
▼TOP4トーナメント準決勝
再春館製薬所(Jブロック1位)2−0 岐阜Bluvic(Sブロック2位)
志田千陽/松山奈未②〔21−14、21−12〕0●清瀬璃子/原菜那子
郡司莉子②〔21−15、22−20〕0●古川佳奈
金廣美希/木山琉聖(試合なし)福島由紀/川添麻依子
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ヨネックス(Jブロック2位)2−0 BIPROGY(Sブロック1位)
櫻本絢子/保原彩夏②〔18−21、21−15、25−23〕1●中西貴映/岩永鈴
髙橋明日香②〔24−22、14−21、21−14〕1●砂川温香
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▼決勝戦(2月22日)
ヨネックス ― 再春館製薬所
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人
ベースボール・マガジン社 販売部
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