日本の頂点をかけて争われる第78回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)。大会5日目の12月29日は、各種目の準決勝が行なわれた。ここでは、男子ダブルスのダイジェストを紹介する。
【男子ダブルス】
今大会を棄権した保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)に次ぐ、新たな若手の台頭が待ち遠しい男子ダブルス。その候補とされているのが、第1シードの三橋健也/岡村洋輝(BIPROGY)。世界ランクでも日本勢2番手に位置する2人は、同じ日本代表の霜上雄一/野村拓海(日立情報通信エンジニアリング)と対戦。
第1ゲームを先制したのは、霜上(上写真・右)/野村だ。「相手はレシーブがいいので無理打ちせず、ドロップで我慢したり、いい体勢で攻められるようにした」(野村)と、攻め急がずにプレー。一方、岡村は「リードしているのに、リードしている感じがしなかった」と、なかなか最後まで詰めきれずに苦戦した。16オールからの競り合いから、霜上/野村が先に抜け出してプレッシャーをかける。
第2ゲームに入ると、流れは日立ペアに傾いた。「2ゲーム目は少し余裕があったので、上げるところはしっかり上げてレシーブすることができた」(野村)と、調子の上がらない三橋/岡村から主導権を奪う。9-8の場面から3連続ポイントと4連続ポイントで突き放すと、最後は21-14に封じて勝利。霜上/野村が総合で初の決勝進出を決めた。
今季ランキングサーキットと全日本社会人を制している山下恭平(上写真・右)/緑川大輝(NTT東日本)は、第2シードの柴田一樹/山田尚輝(NTT東日本)を下して勝ち上がってきた熊谷翔/西大輝(BIPROGY/龍谷大)と対戦。第1ゲームは積極的に仕掛ける熊谷/西が21-13で先制。しかし、第2ゲームはラリーの先手を奪った山下/緑川が、21-15で奪い返す。ファイナルゲームに入ると、中盤の4連続ポイントで18-13とリードした山下/緑川が、追走する熊谷/西を振り切って勝利。決勝の切符をつかんだ。
決勝は霜上/野村と山下/緑川の勝負。どちらが勝っても初の総合タイトル獲得なる。
準決勝の結果、決勝戦の対戦カードは以下の通り。
▼準決勝(12月29日)
霜上雄一/野村拓海(日立情報通信エンジニアリング)②〔21−19、21−14〕0●三橋健也/岡村洋輝(BIPROGY)
山下恭平/緑川大輝(NTT東日本)②〔13−21、21−15、21−16〕1●熊谷翔/西大輝(BIPROGY/龍谷大)
▼決勝(12月30日)
霜上雄一/野村拓海 ― 山下恭平/緑川大輝
取材/バドミントン・マガジン編集部、吉井信行、平野貴也
写真/井出秀人