日本の頂点をかけて争われる第78回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)。大会5日目の12月29日は、各種目の準決勝が行なわれた。ここでは、男子シングルスのダイジェストを紹介する。
【男子シングルス】
準決勝に進出したのは、2021年以来3年ぶり2回目の優勝をねらう田中湧士(NTT東日本)と、まだ手にしていない総合のタイトル獲得に挑む奈良岡功大(NTT東日本)。そして、今大会で躍進を見せる武井凜生(NTT東日本)と、準々決勝の接戦を制した渡邉航貴(BIPROGY)の2人。しかし、初優勝をねらっていた渡邉は、両足の裏の炎症により棄権。これにより、武井が戦わずして決勝の切符をつかんだ。
残り一枚となった決勝切符は、田中と奈良岡が争う。試合は、第1ゲームを田中が21-10で先制。「(1ゲーム目は)向こうが飛ぶコートだったのでアウトしてくれた」(田中)と、奈良岡のミスを見逃さずにポイントを重ねた。
第2ゲームは奈良岡が主導権を握って21-9でファイナルゲームに持ち込んだが、最終ゲームに入ると、奈良岡が「自分のミスが多くなってしまった」と連続失点で3-11。大量リードを奪った田中は「ファイナルゲーム後半は、そこからラブオール・プレーだと思って、同点になってもいいくらいの気持ちで戦った」と、攻撃の手を緩めずプレッシャーをかける。奈良岡も、クロスネットやロングラリーなどで揺さぶりをかけたが、開いた点差を詰めきれず。最後は田中が21-11で勝利。2回目の総合優勝に王手をかけた。
決勝は、25歳の田中と21歳の武井が激突。年齢は4つ違うものの、チームでは同期という2人が、日本一のタイトルをかけて熱戦を繰り広げる。
▼準決勝(12月29日)
田中湧士(NTT東日本)②〔21−10、9−21、21−11〕1●奈良岡功大(NTT東日本)
武井凜生(NTT東日本)◯〔棄権〕●渡邉航貴(BIPROGY)
▼決勝戦(12月30日)
田中湧士 ― 武井凜生
取材/バドミントン・マガジン編集部、吉井信行、平野貴也、楊順行
写真/井出秀人