日本の頂点をかけて争われる第78回全日本総合バドミントン選手権（東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ）。大会5日目の12月29日は、各種目の準決勝が行なわれた。ここでは、混合ダブルスのダイジェストを紹介する。
【混合ダブルス】
この日、最後にコートに入ったのが、混合ダブルスB代表ペアの西大輝（上写真・左）／佐藤灯（龍谷大／ACT SAIKYO）と、男女ダブルスA代表で活躍した二人が組む、古賀輝／福島由紀（NTT東日本／岐阜Bluvic）の対決。73分の熱戦を制したのは、西／佐藤だった。
第1ゲームは、西が後ろから打ち、佐藤が前で決めるカタチが機能。特に佐藤の読みがよく、クロスリターンや古賀のトリッキーなプレーにも、しっかり反応してつかまえていく。ネットミスもほとんどなく、混合ダブルスで練習を積んできたことがうかがえた。古賀／福島は、女子ダブルスでファイナルゲームを戦った福島に疲労があったのか、古賀がより広くカバーし、「行っていいよ」と声をかけて福島を前に出す場面も。いいカタチができない中で競り合える強さを見せたが、西／佐藤が21−17で第1ゲームを奪った。
第2ゲームは序盤から西／佐藤にミスが目立ち、古賀／福島が6−1とリード。第1ゲームは決まっていた佐藤のネット前にミスが出て、点を失う場面が増えた。対する古賀／福島は、男子ダブルスで前衛を主戦場としてきた古賀がクロスネットを決めるなど、完全にペースを掌握。21−11で第２ゲームを奪った。
ファイナルゲームに入ると、古賀がさらにギアを上げ、連続スマッシュから浅いリターンを自ら叩き込んで決めるなど、コートで躍動。トリッキーなクロスネット、ダイビングレシーブがネットインと、会場を何度も沸かせた。負けられない西／佐藤は第1ゲームのように、西の後衛、佐藤の前衛という形が機能するように。リードを保ち、終盤18−14と4点差をつけた。しかし、古賀／福島が点差を詰めて18−18。西／佐藤が連続攻撃でマッチポイントを握るが、決めきることができず20−20。手に汗握る点の取り合いの中、最後は速いラリーからネット前にきたシャトルに、佐藤が飛び込んでプッシュ。混合ダブルスとして最高の形で決めた西／佐藤が、決勝進出を果たした。
柴田一樹（上写真・奥）／篠谷菜留（NTT東日本）と緑川大輝／齋藤夏（NTT東日本／ACT SAIKYO）による対戦も、ファイナルゲーム、1時間を超える戦いとなった。
ともに連続得点を取り合った第1ゲームは21−16で、混合ダブルスA代表ペアの緑川／齋藤が先取。第2ゲームは、「前半までリードはしていたので、そこで仕留め切ればよかった」と緑川が振り返ったように、中盤から柴田／篠谷が抜け出し、21−17で奪い返した。
ファイナルゲームは、序盤から柴田／篠谷が圧倒。男子ダブルスでファイナルゲームを戦った緑川に対し、柴田と篠谷は混合ダブルス1試合のみ。前日、「スマッシュを思いきりいっぱい打ち込みたい。自分のプレーを出して暴れるだけ」と話していた柴田が、得意のジャンプスマッシュを叩き込み、雄叫びをあげる。混合ダブルスA代表としてプレーしてきた篠谷のプレーも冴え渡った。
対する緑川／齋藤は、連続得点を2回しか奪えず。最後まで勢いを失わなかった柴田／篠谷が、21−12という大差で勝利を決めた。篠谷は昨年、山下恭平（NTT東日本）とのペアで、全日本総合初優勝。現役最後となる試合で、パートナーを変えての連覇をめざす。
準決勝の結果と決勝の組み合わせは以下の通り。
▼準決勝（12月29日）
柴田一樹／篠谷菜留（NTT東日本）②〔16−21、21−17、21−12〕１●緑川大輝／齋藤夏（NTT東日本／ACT SAIKYO）
西大輝／佐藤灯（龍谷大／ACT SAIKYO）②〔21−17、11−21、24−22〕１●古賀輝／福島由紀（NTT東日本／岐阜Bluvic）
▼決勝戦（12月29日）
柴田一樹／篠谷菜留 − 西大輝／佐藤灯
取材／バドミントン・マガジン編集部、吉井信行、楊順行
写真／井出秀人
